あなたが開業を願うのはなぜでしょうか。いろいろな理由があるでしょうが、それをひとつひとつ書き出すなどして、整理してみることが大切です。
単なるあこがれや夢だけでは不充分です
繁盛している美容室や、マスコミに登場する華やかな美容室を見かけるとうらやましくなるもの。
「自分もああなりたい」と感じることは全然悪いことではありません。
ただ、漠然としたあこがれだけでは開業しても成功しません。開業してどうなりたいのか? そこをよく考えてはっきりさせることが大切です。
- どんな美容室を目指すのか?
- よその美容室との違いは何なのか?
- どんなお客さんに主に来てもらいたいのか?
これらすべてをあいまいなまま進めていくと、コンセプトが不明瞭なために早期閉店につながります。時間を惜しまずに、細かく決めていくべきです(下の段で改めてご説明します)。店舗開業の動機について、典型的な例をいくつか紹介させていただきます。
例)金銭上の目的~現状より、もっと報酬をほしい~
さて、美容室の開業で大きな動機として出るのが「収入」です。
美容師として技術を磨いてお客さんに認められ、カリスマと呼ばれるようになっても 雇われているままでは、収入はなかなか伸びないものです。
この「今より、もっとお金が欲しい」という動機は、正当な動機です。ただ、「今よりもっと増やしたい」といった不明瞭なものではなく「何年でいくら」などと明確な目標を立てる必要があります。
例)サービス上の目的~理想とするサービスをお客様に提供したい~
雇われ美容師の場合は、勤務する美容室の方針に従わないといけません。しかし、その美容室や店長のやり方に共感できないという不満を持つ美容師さんは多いものです。
たとえば美容室の方針で、必ず安価な薬剤を使わなければならないなどの決まりがあり、その薬剤のせいで炎症を起こすお客様を目にして「安全な薬剤を使ってあげたい」「お客様にあった薬剤を使ってあげたい」といったサービス面での要因が生じることもあります。このような要因も、独立を考える大きな動機になります。
例)勤務時間・勤務体系上の目的~働く日・時間や職場の環境を変えたい~
勤務体系も、収入と同じく雇われ美容師さんがよく不満を感じる点です。
■勤務時間・・・美容師の世界は残業がとにかく多いものです。拘束される時間が長いわりに、待遇に反映されないという傾向があります。
■休日・・・休みが少なかったり不規則だったりと、休日に関する不満を抱える美容師さんもたくさんいるはずです。
また、お客様だけでなく「一緒に働く仲間にとっても幸せな環境を作ってあげたい」といった動機も考えられます。
このように「なぜ、私は独立をしたいのだろう」「今の職場の何が不満なのだろう、どうしたいのだろう」というポイントを考えることで、あなたが開業したい美容室の原点になります。
目次