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【美容室開業のマインドセット】タイパ重視が招く短期退店の危機と、成功に必要な「準備の探究心」

美容室開業・現代の「便利」が早期退店の原因

(イラスト:飯島由敬)

いつか自分のお店を持ちたいと願う美容師・理容師の皆さん、開業までの道のりではもちろんテクニック、攻略法も重要なんですが、あえてテクニックから離れ、さらに最も重要である「心構え(マインド)」についてお話しします。

これは開業を目指す方だけでなく、自身の人生に変化を起こしたいすべての人に通じる「人生の教訓」とも言える内容です。

noteでも詳しく

↓↓↓

https://note.com/bh_iijima/n/nf9ffaace866f

時代と共に変わる、独立希望者の「情報収集」と「思考の毛色」

長年、多くの理美容師さんの独立開業に携わってきた中で、私はある確かな変化を感じています。

それは、10年・20年前に相談に来られた方々と、特に最近の次世代の方々とでは、開業に対する「考え方」や「思考の毛色」が少し異なってきたという点です。

この変化には、近年のデジタルメディアの進化や、情報収集スタイルの劇的な変化が深く関わっています。

現代は、ネットで検索すればAIが一瞬で要約を作成し、開業の手順や基本的なノウハウを即座に提示してくれる非常に便利な時代です。

しかし、その「便利すぎる仕組み」が当たり前になったことで、ある深刻な弊害が生まれていると感じています。

 

「タイパ重視」の罠:薄れゆく探究心と「自分ごと」の姿勢

現代のビジネスや日常生活において、「タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)」という言葉が強く意識されています。

効率的に情報を得ることは決して悪いことではありません。しかし、このタイパを重視するあまり、開業者個々の「情報収集への熱心さ」や「物事を深く掘り下げる探究心」が薄れてしまっているように思えてならないのです。

かつての開業者に見られた「圧倒的な熱量」

まだインターネットやAIが今ほど普及していなかった時代、開業を志して私の元へ相談に来られた方々は、こちらが感心させられるほどの集中力を持っていました。

私のアドバイスに対して一言一句を漏らさぬよう熱心にメモを取る

課題や下調べに対して「自分ごと」として深く向き合う

個人レッスン形式の講座では、気づけば4〜5時間も集中を切らさず、私を質問攻めにする

当時はこれがスタンダードであり、彼らには「自分で道を切り開くのだ」という強い当事者意識が満ち溢れていました。

現代の風潮がもたらす「長時間の集中=無駄」という意識

一方、昨今の相談者(これは若い世代に限った話ではありません)を見ていると、長時間にわたって一つの物事に集中して取り組むこと自体を、どこか「効率が悪い」「時間の無駄」と捉える風潮があるように感じられます。

実際に、現代社会では以下のような現象が主流となっています。

2時間以上の映画をじっくり観ることができない

短時間で消費できる「ショート動画」の爆発的な人気

YouTubeやテレビ番組でも、冒頭で要約(あらすじ)を見せ、結論を急ぐ構成が好まれる

こうしたスピーディーで要約された世界に慣れてしまうと、泥臭く時間をかけて準備をするというプロセスが、ひどく面倒なものに思えてしまうのかもしれません。

 

なぜ美容室の「丸投げ開業」は短期退店を招くのか

美容室の開業とは、本来、開業者自身が数多くのタスクを絶妙なタイミングで、漏れなくこなしていかなければならないものです。

しかし、便利すぎる世の中に慣れた結果、以下のような考えを持つ方が格段に増えています。

「お金を払って頼めば、業者が何もかも全部まとめてやってくれるだろう」

「細かいことを調べるのは面倒くさい」

「もっと簡単に、手っ取り早く開業させてくれる会社にお願いしよう」

こうした「丸投げ」のような精神こそが、現在の美容業界における大きな問題へと直結しています。

 
過去最高を更新し続ける「退店数」の現実

事実として、美容室の退店数(閉店・廃業数)はここ数年、毎年増え続けており、退店実例の数は現在も過去最高記録を更新中です。

なぜ、これほど多くのお店が短期間で潰れてしまうのでしょうか。私はその最大の要因が、「自分自身で知識や情報を収集し、ある程度の準備は自分でやり抜く」という基準(当事者意識)の欠如にあると考えています。

「全部お任せください」という業者の甘い罠

これまでに何度も口を酸っぱくしてお伝えしてきましたが、店舗を作る施工会社(工事屋さん)や設計者は、ビジネスとして「仕事を獲得すること」が一番の前提です。

そこに、手っ取り早く済ませたいと考えている開業者が前に現れさえすれば、彼らは当然のようにこう言います。

「ぜんぶお任せください。難しいことは一切こちらで面倒を見ますから」

業者側からすれば、何も知らない、自分で調べようともしない開業者ほど、コントロールしやすく好都合(ラッキー)な存在はありません。

言われるがままに高い見積もりを呑まされ、立地や動線の検証も不十分なまま店を作られてしまっても、文句は言えないのです。

「タイパ」や「丸投げできる環境」を求めるあまり、開業者自身の準備意識が薄れてしまう。

これこそが、昨今の短期退店(早期閉店)を急増させている最大の引き金と言わざるを得ません。

 

まとめ:人生を変える計画だからこそ、最低限の労力を惜しまないで!

今回の内容を振り返ってみましょう。

AIやネットの進化により便利になった反面、開業者自身の「探究心」が薄れつつある

タイパ(効率)の重視によって、長時間の深い集中や準備を避ける風潮が生まれている

業者への「丸投げ・手っ取り早い開業」を選んだ結果、基準が足りずに短期退店するサロンが急増している

美容室の独立開業は、あなたの人生に大きな変革をもたらし、これからのライフステージをより良くするための壮大な計画です。

そんな大切な人生の分岐点において、効率ばかりを追い求め、横着をしてしまっては本末転倒ではないでしょうか。

成功するサロンを作るためには、最低限の労力を惜しまず、自分で調べ、悩み、動くという泥臭いプロセスが絶対に不可欠です。人生をかけた挑戦だからこそ、どうかその労力を惜しまずに、強い当事者意識を持って一歩を踏み出してください。20年前に訪れた歴代オーナーさんたちは、今となっては大成功をした立派な経営者です。

当時の相談者、現代の相談者、私が感じるこの違い、違和感、是非あなた自身に照らし合わせて考えてみて下さい。

少なくとも、楽な、手っ取り早い開業は、実現できたとしても20年後に成功しているかは疑問です。

先人たちの成功プロセスにこそ秘訣があります。だから、最低限の労力を惜しまないでください。

もちろん、その部分をお手伝いするのが飯島の最大のお役目ですから、ぜひ頼ってみて下さい。

 

関連Podcast

#53(最終回)【美容室開業・タイパを求めると店が潰れる?早期閉店を招く「現代の便利マインド」の落とし穴】※AI要約音声

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著者:飯島由敬

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