【10年続く美容室の作り方】「オープンがゴール」は大間違い!生き残るための開業全8手順・要点集
(イラスト:飯島由敬)
「いつか必ず自分の店を持つぞ!」 その夢は本当に素晴らしいものです。
だからこそ、挑戦するからには確実に、そして安全に夢を叶えていただきたいと飯島は心からそう願っています。
そのためにも、まずは美容業界の「厳しい現実」を正しく把握したうえで、安全で確実な一歩を踏み出していきましょう。
そのために必要な攻略の順序というものがあり、絶対に着手前に把握しておくべきなんです。
順番をたった一つ踏み間違えてしまうだけで計画が危ぶまれます。心して進めましょうね。
なぜ多くの美容室が10年以内に閉店してしまうのか?
美容室を開業して10年後も生き残れている店舗がどれくらいあるかご存じですか?
実は、わずか数パーセントと言われています。現在も年々、閉店数の過去最大記録が更新されているほどです。そう、ほとんどの店が10年持たずに消えていくのが、この業界のシビアな実態なのです。
では、生き残る店と潰れる店の違いはどこにあるのでしょうか?
それは「正しい順序で計画を立て、慎重に進めたかどうか」。これに尽きます。
手順をすっ飛ばして勢いだけで進めてしまう人は、高い確率で途中で頓挫するか、あるいはオープンした時点で既に問題に直面してしまっていることが多いのです。
必ず10年続くサロンを作るための「全8手順」を凝縮して解説します。
前半:絶対にブレない「成功の土台」を作る4ステップ
まずは、お店の「根っこ」を作る段階です。ここがいい加減だと、どんなにオシャレで立派な店舗が完成したとしても一瞬で倒れてしまいます。
ステップ1.開業動機と目的の明確化
「今のサロンの人間関係が嫌」「なんとなく店を持ちたい」というような甘い動機では、始まった瞬間に壁にぶち当たって挫折してしまうでしょう。なぜ独立するのか、独立してどうなりたいのか。まずは自分に正直に、開業の動機と目的をはっきりさせましょう。
ステップ2.コンセプトとターゲットの構築
よく最初から「どんな雰囲気の内装デザインにしようかな」から考える人が多いのですが、順番は逆です! まずは「どんな社会的役割を果たす店にするか」を決め、次に「理想のお客様(コアターゲット)」を具体的に絞り込むことです。そのターゲット層が最も喜んでくれる空間やサービスを明確にした上で、そこから逆算して作っていくストーリーが開業計画であり、そのストーリーづくりこそが最初にすべき順番なのです。
ステップ3.シビアな計算を伴う事業計画の作成
ここが一番シビアにいきたいところ。「いくら稼いで、いくら手元に残すか(収支・資金計画)」のシミュレーションを、とことん現実的な数字を出しながら検証すべきです。 多くの開業者がやりがちな「どんぶり勘定」ではダメです。なかなか馴染みがないかもしれませんが、経営者になる以上、最低限のお金の計算感覚は必要不可欠です。その第一歩目だと思って向かい合いましょう。
ステップ4.ターゲット層に合わせた物件探し
コンセプトが固まって初めて、物件探しがスタートできる段階となります。最初から物件探しをしたり、ネット上の情報を見ただけで物件を決めたりするのは絶対にやめましょう! 物件は確実に狙いを定めて探すべきなんです。また、ただの情報だけで決めたりせず、必ず現地に足を運び、「呼びたいターゲット達が、果たしてその地に往来しているか」これを自身の目で確かめましょう。
後半:理想を現実にする「シビアな実践」の4ステップ
前半の4ステップの「土台」ができたら、いよいよ、お店を形にする具体的な行動の段階です。ただ、ここから先は下手すると巨大なお金が動くので、一歩のミスが命取りになるのでとりわけ慎重に進めなければなりません。
ステップ5.融資・資金調達の攻略
実際の開業において、自己資金だけですべてが足りるというケースは極めて異例です。多くの場合、日本政策金融公庫や銀行など、融資に頼ることになります。その 融資で重要なのは「審査(面接)」です。その審査は事業計画の書面だけで通るものではありません。ステップ3で作った「根拠ある計算と、計画性を伴う事業計画そのもの」が重要です。また、総額全体の予算ギリギリの融資申請とならないよう、ある程度余裕を持った多めの借入をしておく、という感覚も重要です。
ステップ6.運営戦略と集客の早期確立
「オープンさえすれば客は来るはず」という過度な期待は禁物です。 当然、オープン前の段階から、客単価設定はもちろん、サービス内容等を決めるのは当然ですが。それら戦略に基づいた情報を「オープンの前」の段階からSNSやブログで発信して周囲に知らせておくことが重要です。つまりオープン前から、あなたとあなたの店への関心を集めた状態で、オープン初日を迎えるということ。
ステップ7.失敗を防ぐ店舗デザイン(デザイナー選び)
元設計者の立場として、飯島が常に言い続けている超重要ポイント! 店舗デザイン(設計)と工事は、同じ業者に一括で任せるのは実は意外とリスクが高いということ。デザイナーはあなた側の味方(代理人)に立たせる人物なのです。そして、その人物に工事会社の見積額などを厳しくチェックしてもらう、さながら弁護士のような役目、つまり「お目付け役」として雇うのが結果的にコスパを高めますです。(結果的に安く出来たりするということ)
ステップ8.リスクを回避する店舗工事
工事費は開業予算の大半を占めます。だからこそ、工事に関しては複数の工事業者から相見積(競争)を仕掛けて、自分側に付くデザイナーにより、プロの目で査定してもらいましょう。 そして絶対重要要素となるのが、「美容室の施工経験が豊富な業者」を必ず選ぶこと。特に、電気容量や水圧のトラブルでオープン後に後悔するという悲劇は、絶対に避けなければなりません。意外と経験不足の業者は、そんな美容室のあたりまえを見逃してしまう失敗例も多いということです。
[開業手順4.物件探し]ターゲットの往来、居住に応じた物件選び
今回ご紹介した「開業へ向けた全8手順」のまとめです。
1.開業動機と目的の明確化(なぜ独立するのかを明確に、具体的に)
2.コンセプトとターゲットの構築(誰のための、どんな店かを追求)
3.事業計画の作成(現実的な数字で収支をシミュレーションする)
4.物件探し(ターゲットの往来を自分の目で確認する)
5.融資・資金調達(根拠のある計画書で必要な資金を確保する)
6.運営戦略と集客(オープン前から情報発信をスタートする)
7.店舗デザイン(独立したデザイナーを自分の味方につける)
8.店舗工事(美容室の施工実績が豊富な業者を選ぶ)
今回紹介した8つの手順は、どれか一つでもすっ飛ばしたり、順番を入れ替えたりした時点で、計画は簡単に崩れます。
やることが多くて戸惑う開業者も多いのですが、それでも、ひとつひとつのToDoを理解したうえで、慎重に、順番通りにクリアしていけば、誰でも安全に開業を迎えることができます。
とにかく、勢いだけで突っ走るのは禁物。
美容師さんという職種すなわち「職人(技術者)」から、「経営者」に変わることが開業。
不安なこと、分からないことがあれば、いつでも飯島にお気軽にご相談ください。
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