美容室の独立開業は「自営業者」か「ビジネスオーナー」か?10年後を見据えた失敗しない事業計画の作り方
独立開業を考えている美容師さん、理容師さんの開業後の目的地は「自営業者」ですか?それとも「ビジネスオーナー」ですか?
開業前の「ゴール着地点の座標」の取り方次第で、10年後、20年後の未来は全く異なります。
飯島はこれまで数多くの独立開業オーナーを導き、その後も長年お付き合いをさせていただく中で、ある種の「確信」のようなものがあります。
計画実行に移す前に念頭に置いておくべき「未来を分ける法則」のアドバイスです。
noteでも解説しています
https://note.com/bh_iijima/n/nb626eda5d15d
開業の動機が「今の泥沼からの逃避」だけでいいのか?
開業するという行為には、誰であっても必ず「動機」があります。
その動機を深いレベルで探っていくと、実は「その人が置かれている現状からの逃避」であることが少なくありません。「逃避」と言うと少しネガティブに聞こえるかもしれませんが、ポジティブに言い換えれば、それは「現状を変えるための改善策」です。
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今の職場の不満
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労働環境の不具合
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業界の不条理や理不尽
このようにすべての文字に「不」が入っています。この「不」をなんとか解消するための起死回生の行動こそが、独立開業計画なのです。 「今の泥沼から、火の中から抜け出したい!意を決して自分の店を持つしかない!」 開業者さんの切なる動機のほとんどは、こうした直近の不具合の解消から始まります。(もちろん中には、純粋な夢の実現や、一国一城の主になりたいという所有欲が動機の方もいらっしゃいますが)
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
多くの方が直近の不具合の解消を急ぐあまり、「せいぜい3年後くらいにはこうなっていたい」という、かなりぼんやりとした短期的な目標設定だけで行動に移してしまうのです。
私が常々お伝えしているのは、「10年後を見据えた設計をすべきだ」ということです。
直近の不満解消だけを目指して開業したお店は、寿命が短い傾向にあります。
逆に、最初から10年後の将来を見据えて開業した人は、その理想に向かって行動し続け、高い確率で最初に掲げた理想通りの状況を手に入れています。これは、私が関わってきたオーナー様たちの10周年、20周年の姿が何よりも証明してくれています。
マイホーム購入と同じ?「とりあえず」の目標設定が招く悲劇
短期的な目標設定だけで動いてしまう行動パターンは、「家やマンションを購入するときの心理」に非常に似ています。
最初は夫婦二人だからと、「とりあえず比較的小さな家やマンション」を購入するとします。
しかし、いずれ子供ができたり、ライフスタイルが変化したりして、住み替えが必要になる時期が必ずやってきます。とはいえ、住宅レベルの買い物になると簡単に乗り換えることはできず、結局は手狭な環境で不満を抱えながら暮らし続けることになりかねません。 「もっと将来を見据えて、よく考えて購入するべきだった…」 そんな後悔の声を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは、独立開業にも全く同じことが言えます。 最初の段階で「直近の目標を果たすためだけ」に行動を起こした結果、数年後に身動きが取れなくなってしまうのです。
「自営業者」で終わるか、「ビジネスオーナー」として自由を得るか
独立開業の出発点において、カーナビの目的地設定に「自営業者」と入力するか?「ビジネスオーナー」と入力するか?
たったこれだけの違いで、将来は劇的に変わります。
「それって両方とも同じじゃないの?」と思う方もいるでしょう。
ここで、有名なロバート・キヨサキ氏のベストセラー本でも解説されている考え方を基準に、その違いを整理してみます。
自営業者とは?
極端に言えば、「ずっと自分の労働力頼み」の働き方です。 自分が第一線で働き続け、体が朽ち果てていつかリタイアするまで生涯働きっぱなしのストーリーになることが多いのが特徴です。実は、独立開業を果たして自分の会社を持っている経営者の8割以上が、この「自営業者」に該当します。
ビジネスオーナーとは?
自分が直接的な労働力を使わずとも、収入源が確保されていく「仕組みを作る人」のことです。 印税収入や家賃収入のように、仮に自分が数日間寝込んで現場に立てなかったとしても、報酬が止まることなく入ってくる仕組みを持っているオーナーを指します。
ビジネスオーナーになるためには、当然ながら自分以外の労働力(スタッフやパートナー)を育て、協力体制を構築する苦労が伴います。「人を育てるのが面倒だから一人になりたくて開業する」という動機でスタートすると、必然的にゴールは「自営業者」となり、永遠に働き続ける道を選ぶことになります。
大規模な雇用ではなく「仕組み化」の視点を持つ
とはいえ、飯島は毎回、「大規模に人を雇え」「手塩にかけて人を育てろ」と押し付けているわけではありません。アドバイスしているのは、「少なからず工夫を凝らし、何らかの人との協力体制(仕組み)を視野に入れて開業計画に組み込むこと」です。
実際に20年以上健全な経営を続けている美容室オーナーの中には、自身でゼロから育てた人材だけでなく、すでに高い技量を持つパートタイムの美容師さんたちとネットワークを作り、チーム体制を構築している方もいます。
オーナー自身も現場に立ちつつ、決してオーバーワークにならない「ベストな施術品質を保てる環境」を見出しているのです。このように、開業時からビジネスオーナー目線で目標を立てて仕組みを完成させた方は、開業時とは比べ物にならないほどの豊かな報酬と自由を手に入れています。
まとめ:10年後のあなたが心から満足できている店にするために
開業者の半分以上は、直近の不満解消を目的とした「自営業者」を着地点に設定しがちです。
そのため、10年・20年経っても第一線で身体を酷使し続けることになり、後になって「将来が不安だ」「今更、体制は変えられない。あの時のアドバイス通りに設定しておけばよかった」と悩みを吐露される方も少なくありません。
最初から「ビジネスオーナー」の路線を目指すのは、仕組みが完成するまでに時間がかかり、心労も大きいかもしれません。しかし、それを承知で挑んだ開業者さんは、10年後に圧倒的な「自由」を手に入れています。
「一人でやっていきたい」という考えも、決して悪いことではありません。ただ、そのまま要望通りに進む前に、私は必ず「10年後を見据えたビジネスオーナーとしての設計」への意識を促すようにしています。それによって計画を見直し、見事に10年後の理想の姿を実現した方を、私は数多く目の当たりにしてきました。
今の「不具合の解消」を目的とした計画にするのか、それとも「10年後の将来設計」を見据えた計画にするのか。
ここは本当に大きな分かれ道です。 進んだ先での軌道修正は非常に困難だからこそ、「最初にどこに向かっていくかを明確にすること」が、本当の事業計画(ビジネスプラン)なのです。
10年後に確実に豊かなサロン経営を実現させているために、ぜひご自身の事業計画を見つめ直してみてください。
関連ラジオ配信(stand fm)より









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