10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い

これは一般家庭でも見たことがあると思いますが、

店舗にも必ず「分電盤（ブレーカーボックス）」があります。

そこには、全体の電力を管理する「メインブレーカー」と、その下とか、横にに並ぶ6〜12個程度の「子ブレーカー（支線回路）」が設置されています。

この“子ブレーカー”の1つが“1回路”と呼ばれるものです。

例えば、家庭用ドライヤーの消費電力は約1,200W。

一方、子ブレーカー1回路あたりの許容電力は1,500Wが上限です。

つまり、1つの回路にドライヤーを2台同時に使用すると、それだけで上限を超えてしまい、ブレーカーが落ちる原因になります。

「コンセントプレートには差込口が2つあるから、2台のドライヤーを使っても大丈夫だろう」と思ってしまいますよね？

ここが大きな落とし穴です。

差込口が複数あっても、１つのコンセントプレートの２つの差込口、それら合わせて同じ回路に属していればまるで意味がありません。

1回路あたりの負荷が1,500Wを超えれば、自動的にブレーカーは遮断されます。

つまり、ドライヤー1台につき、子ブレーカー１つ（1回路）が必要なのです。

美容室特有の電力事情に慣れていない設計者や工事業者（施工業者とか工務店ともいう）は、以下のようなミスを犯しがちです。

美容師それぞれ異なるドライヤーの使い方を考慮せず、コンセントの回路分けを適当にやってしまう

結果として、「なぜかブレーカーが頻繁に落ちる」という事態に陥るわけです。

美容室によっては、1席でドライヤーを同時に2台使うというスタイルの施術を行うこともあります。

このような運用がある場合は、設計段階で必ず、その旨を事前に設計者に伝えることが重要です。

情報共有がしっかりできていれば、コンセントが2口あってもそれぞれを別回路に分岐し、ブレーカーが落ちにくい構造にすることも可能なのです。

こうした「回路分け」の知識は、美容室店舗設計において不可欠ということです。

店舗デザイナーや設計者の中には

「私、美容室の経験はないけれど、設計歴は長いから大丈夫！」という人もいます。

しかし、美容室の設計は業界特有の知識が求められるのです。

オシャレな内装デザイン

スペースの有効活用

動線の確保

これらももちろん非常に重要ですが、それ以上に

日々の営業に支障をきたさない設備設計がダメなら、いくら見た目が良くても意味がありません。

設計者や施工業者は、工事が終われば仕事終了します。

１年も２年も関わるようなところではありません。

しかし、開業オーナーはその後、何年にもわたり、その空間で働き続けることになります。

ブレーカーが頻繁に落ちるという「小さなストレス」が、10年、20年も続くことになりかねないわけです。

やがて、積もり積もって大きな不満としていつか爆発するかもしれません。

だからこそ、開業時の設計段階で「電気設計」までしっかりとチェックし、美容室の特性に対応できる経験豊富な設計担当を選んで依頼することが重要です。

それも、長く愛される店舗づくりには欠かせない要素となるのです。

ブレーカーが頻繁に落ちる美容室は、決して設備が古いわけでも、特別に電力消費が激しいわけでもありません。

その多くが「設計の時の判断ミス」、とくに「回路分け」の不備によるものです。

美容室を開業する際には…

ドライヤーの使用台数を事前に伝える

コンセントごとの回路分けを確認する

美容室設計に詳しい設計者・業者を選ぶ

こうしたポイントを押さえるだけで、ストレスフリーな店舗運営が実現できます。

なんだかわからないけど、美容室 ブレーカー 落ちる・・・

仮に、先々、美容室 電気 設計が原因だったとしても、後日その修繕をするのはそれなりのお金が発生してしまいますので、結局は泣きを見ることになるでしょう。

回路分け ドライヤー ？美容室 開業 電力 トラブル ？美容室 設計 失敗防止 ？

そんなの、店を作る時、知るわけ無いじゃん！

そうです、開業者さんはほとんど知らないのがあたりまえです。

だからこそ、美容室開業を担当する設計者のスキルが、開業オーナーの運命の鍵を握っています。

事前に、しっかりこれを学習して知ることも重要ですが、

簡単な見分け方は「美容室や理容室の設計の経験が豊富かどうか？」

このシンプルな基準は、デザイナー、設計者選びの最低条件と捉えましょう。