10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い

オーナー福山裕太郎さんのwarawa開業後のコンサルティング7回目を行いました。

いつものように近況報告と共に、売上、総動員数、平均客単価など一通り聞きとりしました。

先月福山さんと掲げた目標額には達することが出来なかったが、その理由は明白でした。

そもそも、中高年女性や、お子様を持つ母親世代の女性を主なターゲットにしているwarawaですが、実は9月は周知の通り、地味にコロナやインフルエンザが再び流行したこともあり、付近に在住の世帯は学級閉鎖もあるほどだったといいます。

そんな背景から、小学生のお子様を持つお母さんたちは、なかなか来店の機会を見送らざるを得なくて、キャンセルや予約の勢いがやや弱まったそうでした。

まぁ、2021年以降から開業した多くのお店で共通の影響として、やはりまだコロナの爪痕は完全には消えていないものですね。

とはいえ、前回も同じことに触れたかも知れませんが、

「なぜ？客足が落ちるの？」ではなく、「こうなのだから致し方ない」といった具合に明確な理由が掴めていれば、経営上、心を大きく揺らさずに済むものです。

事実、来店を見送った客が、その分、10月にスライドして予約を入れてくれているらしく、福山さんにとっては、全然、平常心を保つことができているそうです。

以上の理由から、飯島と共有した目標売上には達しなかったものの、それでも赤字には程遠く、開業から丸7ヶ月という段階の割には、メチャクチャ順調な売上であることは間違いありません。

売上がきちんと上がっていさえすれば、心も壊れずに、いわゆる余裕が生まれるものです。

福山さんも、すでに7ヶ月の経営の実データを得ているわけですから、例えば、売上が前々月は芳しくなかったが、前月は好調だった、しかし今月はまた落ちた・・・

このような状況に直面したとしても、もはや一切心を揺らすことは無くなっているようです。

現時点から、遡り３ヶ月の集計を延べにして、結局のところ月間の平均売上が、損益分岐ラインを下回っていなければ、全然問題ない。

常に、３ヶ月前後のクールを振り返り、平均で均したら、どうなるのか？

という経営的な感覚にも慣れてきているようにお見受けします。

結局は、開業の初年度とは、文字通り１年間、１２ヶ月なのだが、来年の確定申告では今年２０２３年の総売上を計上することになります。その裏には、もちろん、総出費額（経費）があり、その差し引きして残った額が、福山さんの今年の報酬という計算です。

だから、福山さんは１２月末の段階まで、実際、毎月どれぐらいの給与を得ているかは、まだ流動的で決まっていないということ。これがはっきりするのは来年２０２４年の年明け後なのです。

福山さんのwarawaに関しては、正確には２月のプレオープンだったため、２〜１２月までの１１ヶ月の集計を来年の確定申告で計上することになるのですが、それまでの渦中、すなわちまだ７〜８ヶ月分の実データしか出揃っていないわけです。

しかしながら、２月はプレオープンなのでデータ対象から外すとして、３〜９月の７ヶ月間の売上で、上がったり、下がったりの生のデータは、かけがえのない効果測定データとなるわけです。

その日々の状況を、いかに冷静に分析、観察できるかが開業初年度の重要な眼となるわけですが、まず、ほとんどの開業者さんというのは、この“冷静に”というのが、まぁ、難しいのです。

難しいというより、初めての経営に直面したばかりなわけですから、ある意味、無理なことかも知れませんね。

だからこそ、飯島が開業者にとって、特に不安定な開業直後から１年間の短期顧問コンサルでお付き合いするわけです。

実際の所、福山さんは、とにかく開業前のソワソワは、もはや完全に消え去っています。

思いっきり、飯島に下駄を預けてくれているっていう感じでしょうか？

開業後に、心が不安定な状況は一度も見ていません。（まぁ、開業計画時は、それなりにお見受けしましたけどね・・・）

特に、半年を越えたあたりからですが、福山さんから聞かされる話には、ちょっとした傾向があります。

当然、順調な経営とはいえ、初めての船出ですから、嫌なこともゼロではないはずです。

時として、あまりウエルカムじゃないお客様も来るでしょうし、わずかながらのストレスもあって当然でしょう。まぁ、無い方がおかしいですよね。

そんな、嫌な出来事、ムカついたことなど、さながら気心が知れた友人同士の様に、愚痴ってくれるんです。とはいえ、ドロドロな感じではなく、むしろ、やや楽しげに・・・

経営者になると、同僚同士で愚痴を言い合い、ガス抜きをするというような儀式が、なかなか得られなくなるのが、辛いところでもあります。

しかし、もはや福山さんも、飯島も、今は経営者同士になったわけです。双方、「こんなことがあってね、嫌な感じですよね！」と愚痴をちょこっと聞いてもらう、みたいなやり取りが、最近の傾向になっている気がします。

よく、従業員時代は、社会性を重視して、「愚痴は言うべからず」といった美辞麗句がありますが、正直言って、自分自身に対して偽善は必要ないと飯島はアドバイスしています。

ただ、大切な客の前で、それが見え隠れしないためにも、時折、経営者でもガス抜きは絶対に必要なんです。なにせ、生身の人間なのだから。

前回のセッションと今回のセッションでは、そんな会話が後半飛び交いましたが、総評として、これ、福山さんの余裕の証と感じた次第です。悲壮感一切なし、総じて、経営を楽しんでいることが思いっきり伝わってきます。

最後に、福山さんがこんなことを語ってくれました。

「僕、奥さんと良く話していることなんですが、飯島さんにプロデュースしてもらわなかったら、私達どうなってたんだろうね、それ考えると、本当に怖いよねって話しているんですよ」

本当に、こうした飯島が役に立てたことの実感は、残念ながら、開業プロセスも全て通過し、経営の渦中である今、そう、そろそろコンサルも終りが近いころに頂けるありがたいお言葉なんです。

この価値、開業前の、これから計画を立てる人たちに、本当は届いてほしいのですが・・・

飯島の仕事の質的に、サポート内容的に、なかなか上手く伝わらない・・・これは仕方がないところなんですよね・・・

だから、やっぱり過去に開業した方々の成功の姿こそが、最もそれが説得力ある飯島の存在価値になるのでしょうね。もっと多くの方々に相談にいらしてほしいです。お待ちしてます！

次回、８回目コンサルは11/6の予定です。

残り、あと４回ですね。