美容室WARAWA(ワラワ)開業計画・打合せ-9回目〜競争入札終了で減額調整へ
美容室warawa(ワラワ)開業計画。打合せ9回目のレポートです。今回の計画も飯島のプロデュース下では必ず行っている競争入札。3社の競合による見積競争を経て、最も安い額面を提示した工事業者が決定しました。しかし、その見積額をさらに下げるためのシビアな打合せがこの減額調整です。
美容室warawaのプロデュースにおいて最も厳しく辛い打合せがこの減額調整の日です。
今年2022年の5月30日に「事前プロデュース」からスタートした今回の美容師オーナーさんですが、約3ヶ月に渡り飯島とともに、安全な開業を実現させるためのトータル30時間を超えるノウハウの講義や事業計画を立ち上げる上でのコンサルティングや公的融資の準備などを行ってきました。そして8月上旬には今回の出店対象となる物件を探しあてて、そのまま「フルプロデュース」の依頼を頂きました。
出会いからすでに8ヶ月経過した現在、計画は実際の店舗を工事する業者を選出するための競争見積(入札)の結果を見る段階まで進んできました。
すでに2週間ほど前から店舗デザイン設計担当の藤井真哉が、3社の工事業者に、同条件で競争の相見積を依頼しており、各社現地にて一同に集まり、細かい質疑応答の為の日もありました。
そして、今から数日前に3社からの見積を藤井が回収し、それら各社の見積内容を慎重に査定した上で、工事業者が決定しています。
まず、この競争見積の結果ですが、単純に表紙の部分に記されている合計金額だけで判断するのはダメなんです。
実際、今回最も安い額面を提示し決定した工事業者さんの見積は、最初の提出時には、2番めに安い見積もりであり、文字通り2位という順位でした。
しかし、本当の審査は各社20ページを超える見積書の2ページ目以降が重要です。
今回の結果ですが、最も安い工事見積を提出した工事業者の内訳を細かくチェックしてみたところ、工事項目の漏れが複数ありました。
残りの2社はきちんと積算している項目でしたが、その漏れ部分の額面を改めて確認し再集計したところ、なんと今回決定した2位の業者より見積総額は高額となってしまったわけです。それこそ逆転劇となったわけですね。ちなみに1位と2位の差額は税抜でちょうど10万円でした。
本来、負けてしまった工事業者としては、10万円の差なら、値引きするからウチでやらせてほしい!という発言をすることがほとんど。
しかし、飯島のプロデュース下では、過去何度もこうした負けた側の業者の訴えも退けてきました。
それほどまでに公平かつシビアな競争をしないと、本当に正確な工事見積が出てこないものなのです。
各業者の心境としては、競争見積においては、とにかく他社より安い積算の見積を出さないと負けてしまう。
しかし、安易に安い積算でいい加減な見積だと赤字を食らってしまう危険性もある。
この微妙なジレンマのもと、各業者は仕事を得るために必死で正確な積算をして臨むのです。
飯島が過去に経験してきた大量な事例から思うに、本当に世の中で飛び交っている工事見積というのは、いい加減な積算のものが多いのです。
少なくとも、競争相手無しの見積は、それが顕著に表れるものなんです。
そのそも工事業者が扱うのは、とても高額な商品なので、ちょっとしたミスがあれば数百万の損失を伴う危険性もあり、赤字となった場合、多大なるダメージに繋がりやすいものです。業者の心境としては、なるべく危険予測を含め、やや多めに、多めにと見積額を増やして提示したいところなのです。
各業者共通で持つ、こうした悩ましいところを、複数業者で競争制度が敷かれると、提出される見積額の正確性も格段に上がることになるのです。
開業を目指す方々は、どんな事情があっても、必ず工事業者の見積は複数業者で比較することがオススメなのです。
数十万円の差ではなく、本当に300万円ぐらいの差が出ることも少なくないのですから。
また、「安い工事業者紹介してもらう」みたいな言葉には騙されてはいけません。
昨今のように世の中で材料や、職人の手間賃が高騰している今、正確な積算が前提であれば、どこの業者が見積を出しても高額になるものです。
これは、異常気象により価格が高騰してしまう「野菜」と同じことなのです。
事実、飯島のプロデュース下で、何度も競争見積に参加している工事業者さんが、毎回同じ会社が安い見積を出すとは限らないのです。今回に関してはA会社がやすかったという時もあれば、B会社の方が何故か格段に安い時があった、という事例もしょっちゅうなのです。
各業者、その時々の混み具合も、競争の明暗を分ける原因にもなるということです。たまたま複数の案件を重複して請け負っている時期なら、製作工場が満杯で、他の工場を使うとか、いつも使う安い職人チームの手が空いておらず、今回はやや高額なチームを使わざるを得ないとか・・・
とにかくその時々の状況によって工事の見積の安い高いは左右されるということです。だからこそ、複数の工事業者に同じ条件で積算させることは絶対に重要なんです。
さて、今回、入札を勝ち抜いた工事業者さんの提示見積ですが、もちろん、オーナーさんの希望をすべて盛り込んだ図面から積算されたものです。
3社中、最も安い額面を叩き出したとはいえ、実際開業オーナーさんが工事費として用意して割当てている予算を大幅に上回っている見積もりです。
しかし、これも飯島プロデュースの特徴です。まずは、ほしい要素を一旦すべて盛り込んで図面化する。
そしてこの要望100%の設計で競争見積りがかかる。
最も安い見積が出たとはいえ、予算を超えている。
ここからが本番なんです。
実際、今回のオーナーさんが割り当てている工事予算から、約150万円減らさなければなりませんでした。
もしも、そのまま一切の減額をしないまま進めたとしたら、文字通り開業予算は150万円オーバーとなるわけで、残しておくべき運転資金がほんの僅かになってしまうことになります。これでは、実際の運営が始まった時、間違いなくすぐに躓くことになります。
したがって、提示された見積書の2ページ以降の、細かい内訳明細にメスを入れて、150万円相当の内容をダイエットするわけです。
材料を安いものに見直して置き換える。
物量そのものを減らす。
欲しかったけど泣く泣く諦めて無くす。
照明器具の考え方をまるっきり見直し器具や物量をすべて減らす。
電飾サインを中止し、スポットライトで当てるだけの方法に簡略化する。
などなど、
本当は諦めたくはないけど、先立つものありきなので、致し方ない。
こうして減額調整とは、増える要素は一切なし、ただただ減らすのみの作業となるのです。
だから、とても辛いんです。
昨今の工事費高騰を視野に入れ、事前プロデュースの開始頃から、開業オーナーさんには、この工事費では悩まされるはずだと予告し続けていました。
折に触れ、何度も何度も、飯島は、この工事費に悩まされるであろうと告げ続けていました。
おそらく、この予告なしに、今日をいきなりむかえていたら、開業オーナーさんは間違いなく大パニックだったと思います。
しかし、結果は穏やかとはいわずとも、パニックするほどの心の乱れはなく、なんとかこの日を乗り切りました。
もちろん、辛くないわけはありません。しかし、そういうものだという心の準備をする時間が長かった分、しっかりこの状況を受け入れておりました。
とまぁ、いつもと同様に、本当に辛く苦しい減額調整という大関門をくぐり、いよいよwarawaは年明け早々に工事がスタートすることになりました。
来年の1月の中旬まで開業オーナーさんの旧サロンへの勤務が続きます。
正式に退職した段階で、お名前や顔を初公開させていただきますね。
ということで、2022年の打合せは以上です。ただ年末まで常に、不明なところや、素朴な疑問があれば飯島へ電話で相談できるようにしております。
実際、本日の打ち合わせ後、今までの間(21時ころ)に早速2〜3度にわたり電話でのアドバイスをしました。
今回のこの開業オーナーさんは、こうしてとにかく飯島を頼って、何度もアドバイスを仰いでくれます。しかし、これ、飯島側としては、逆に安心なんです。
一人で悩まれたり、勝手な行動に出られるより、どんな些細なことでも指示を仰いてくれる方が確実に導けるわけですから。
なので、きっと大晦日まで、まだ何度もやり取りがあるだろうと想像しています。
もちろん、大歓迎です。悩んだらいつでもどうぞ。
年明けは1/5、14:00より、販促グラフィックデザインの辻井泰子との打合せからスタートします。
いよいよ大詰めのwarawa計画です。オーナーさん、今一番気をつけるべきは、体調管理、平常心の維持です!
残り2週間前後の旧店舗への勤務、がんばってください!
出店地、出店時期、オーナーさんの実名は、現職場を退職する段階まで伏せさせて頂きます。
いずれ、それらがすべて発表できるときまで、当実況コラムでこの開業者さんの進行状況を読みながら、今後のご自身の開業に役立ててみてください。
<2023/1/16追記>
埼玉県狭山市柏原美容室 warawaホームページ(準備中)
https://warawa-hair.com/
オーナー:福山裕太郎さん
今回の美容師さんと共に歩んできたプロセスはこちらで確認できます
↓ ↓ ↓
◯11/3・フルプロデュース前の融資コンサルの様子
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221103-bh-loan-consulting/
◯11/7・1回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221107-warawa-1/
◯11/14・2回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221114-warawa-2/
◯11/21・3回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221121-warawa-3/
◯11/28・4回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221128-warawa-4/
◯12/5・5回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221205-warawa-5/
◯12/12・6回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221212-warawa-6/
◯12/22・7回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221219-warawa-7/
◯12/26・8回目の打合せ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221222-warawa-8/
その更に前、
事前プロデュースの行程(一覧)
↓
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221031-bh-pre-produce-index/