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美容室WARAWA(ワラワ)開業計画・打合せ-4回目〜店舗設計時のトラブルとは?デザインと設計は別モノ

美容室warawa(ワラワ)開業計画。打合せ4回目のレポートです。細かすぎるぐらいの店舗デザイン設計打ち合わせを行ってこそ、先々のトラブルを未然に防ぐことが出来ます。過去のトラブル実例も含め詳しく解説しています。

今回も美容室WARAWAの計画の打合せは午前中10時から開始。

店舗デザイン設計も、グラフィックデザインも、今の所、順調に打ち合わせは進んでいます。この開業オーナーさんの狙うお店のスタイルは、シンプル、かつ、カジュアル路線であり、良い意味でお店のスタイルへの強烈なこだわりは無いようです。

開業者さんが目指すお店へのコダワリ度合いというのは、それこそ十人十色で、これでもか、これでもか、というぐらい強いコダワリを持ち一切の妥協をしないタイプの人も少なくありませんし、人によっては、逆にコダワリが無さすぎて掴みどころがないタイプの人もいますね。

今回の開業オーナーさんは、例えばお店のスタイルが南欧風が良いとか、カフェ風が良いとか、そういった確固たる店構えの路線を追求するのではなく、もっと漠然と、お客様がゆったりできれば良いとか、あまりゴチャゴチャさせたくないとか、スッキリと広々していたほうが良いとか・・・

こういった感覚的な部分への視点が強く、それらの感覚的要素が大きく脱線しなければ、どんなスタイルでも受け入れるといった感じですね。

まず、こういったお店のスタイルに関しては、店舗デザイン設計でいうところの「デザイン」の部分にあたります。

いわば、雰囲気を司る要素、構成する世界観的なものがデザインなのです。

 

一方「設計」の部分は、この「デザイン」とは異なります。

こちらは、店そのものの機能面、仕事しやすさ、オペレーション上の効率面などが関与する部分になります。

これも開業者それぞれの作業面が左右する要素なので、人によってまるで異なるものといえますね。

 

例えば、カラーラボはバックヤードで作りたいというオーナーさんもいれば、施術椅子にほど近い、客の背後で作りたいという人もいます。

当然、この違いだけでも設計の展開は異なるわけです。

他にも、ドライヤーの使い方に応じて、コンセントの位置や数も、やはり人それぞれです。

 

よく、経験の浅い設計者に任せると、こうした作業面の不具合は店舗の完成後にあらわになることは少なくありません。

開業オーナーさん側は、「わかっていてくれていて当然だと思っていた・・・」

設計者側は、「多くの美容師さんはこうしているものだから・・・」

このように設計側の常識は、開業者にとっては非常識、という見解の相違は、本当によくあるのです。

 

だからこそ、設計段階の打ち合わせは、多すぎだろ、というぐらい時間をかけて本当に細かく打ち合わせしていくべきなのです。

このような、bhにとっては至って普通の、あまりにも細かすぎるデザイン設計の打ち合わせに直面すると、常々、開業者さんから自然にこの様な声が聞こえてきます。

「なるほど、こんなところまで細かく設定する必要があるんですね、投げかけてもらわなかったら気にも止めなかったです」

 

実は、これが、後々の非常に見苦しい喧嘩に発展することも本当によくある話・・・

飯島自身が店舗デザイン設計者をしていた頃に経験として得てきたところではありますが、2000年から始まったbhの開業プロデュースにおいて、この店舗デザイン設計で、こうした見苦しい喧嘩まがいの事件に発展した事例は、わずか1件のみでした。

 

残念ながら、たった1件のみ、なんと当時の某開業オーナーの理不尽な対応に対し、ついには裁判沙汰になり高裁まで争うことになったこともありました。しかし、この時、傍聴席を満席にしたのは沢山の歴代開業オーナーさんたちでした。

結果的にこの裁判は、bhの一方的な勝利で終わりましたが、このような争いに発展しないように、常々、細心の注意を払いながら進めていても、ふとしたボタンの掛け違いで発展してしまいがちなのが、デザイン、設計、工事というものなのです。

 

多くの場合、開業者さんは物件を先に契約してしまい、家賃発生に焦りながら進めるのが店舗デザイン設計の打ち合わせというものです。

飯島の感覚としては、いつ争いが起こってもおかしくないほどに際どいものなのです。

 

だからこそ、店舗デザイン設計の打ち合わせに入る前の時点での事前準備が重要です。

不動産屋との慎重な話し合いで、融資内定まで物件契約を待ってもらう。もちろん家賃発生も待ってもらう。

今回の計画に関しては物件を飯島が一緒に見に行ったのが9/13でした。融資が決定したのが10月末。

物件の正式契約は11月第一週でした。そして家賃発生は12月からです。

 

このとおり、熱心な交渉により、実に物件特定から3ヶ月の家賃発生をさせずにできたということです。

当然、こうして設計も架橋に入りそうな今、まだ家賃流出は一切していないのです。

このような状況を手に入れ、開業オーナーさんは当然パニックは一切なし、平常心で、店舗デザイン設計に向かい合っています。

 

店舗開業における、こうしたテンションをいかに平常心でキープしながら進められるか、ここは本当に重要なことなのです。

5月30日に事前プロデュースの発注をもらい、8月30日にフルプロデュースのご依頼を頂きましたが、現在までの手厚い準備が実を結び、この約5ヶ月の期間に飯島が、もしもこの開業者さんのセコンドに付いていなかったら?

開業者さん自身、間違いなく既に大きなお金が無駄に流出していたはずだと語っています

だから最近は、やたらと感謝の言葉を連発してくれています。

 

しかしまぁ、これまた、飯島にとっては、いたっていつものこと。開業者さんにとっては、まるで初めてのこと、想像すらできなかったこと。

良い意味で、飯島側の常識と開業者さん側の非常識が、毎回このような大きな感謝の言葉に変換されます。

 

とはいえ、開業計画というのは、まだ予断は許せません。まだ計画全体のプロセスとしては折り返し地点ぐらいです。

まだまだ、争いの種になりうる難関は残っているものです。予算オーバーは論外として、きちんと運転資金を残せた状態で安全に店舗のオープンを迎ええられた段階で、はじめて本当の意味での感謝の言葉を受け取れるのです。

 

したがって気は抜けません。

昨今の世界情勢に伴い、信じられない程に高騰している工事費が、これからの最大の難敵です。

これがコスパ良く、しっかりバランスが取れ、品質がしっかりした店舗が完成してこそ本当の成功です。

開業オーナーさん、引き続き、共に頑張りましょう。

 

次回5回目は1週間後、12/5、朝10:00より打合せ開始予定。


出店地、出店時期、オーナーさんの実名は、現職場を退職する段階まで伏せさせて頂きます。

いずれ、それらがすべて発表できるときまで、当実況コラムでこの開業者さんの進行状況を読みながら、今後のご自身の開業に役立ててみてください。

 

<2023/1/16追記>
埼玉県狭山市柏原美容室 warawaホームページ(準備中)
https://warawa-hair.com/

オーナー:福山裕太郎さん


今回の美容師さんと共に歩んできたプロセスはこちらで確認できます

↓ ↓ ↓

◯11/3・フルプロデュース前の融資コンサルの様子

https://bh-inc.co.jp/news/221103-bh-loan-consulting/

◯11/7・1回目の打ち合わせ

https://bh-inc.co.jp/news/221107-warawa-1/

◯11/14・2回目の打ち合わせ

https://bh-inc.co.jp/news/221114-warawa-2/

◯11/21・3回目の打ち合わせ

https://bh-inc.co.jp/news/221121-warawa-3/


その更に前、

事前プロデュースの行程(一覧)

https://bh-inc.co.jp/news/221031-bh-pre-produce-index/



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