独立開業の成功の秘訣はすべて「事前準備」だった!〜土呂美容室 malun 開業後12回目【最終回】
【開業後のプロデュース対応】開業と経営初年度、申し分ない程の大成功。しかしその影で、美容師さんによくある職人気質ゆえのお悩みにたくさん直面した開業後の1年間でした。飯島からオーナーご夫婦へのラストメッセージとは?さいたま市土呂町美容室 hair + malun(ヘア・プラス・マルン)開業から1年間、いよいよ最後のセッション。
2020年1月28日にbh飯島のもとに無料相談に来てくれたのが最初の出会いでした。
当時、セミナー受講からではなく、直接個別に具体的な開業計画の相談がしたいという希望だったと、1年前の開業時にインタビューでも話してくれましたね。(下段の方に当時のインタビュー動画あり)
そんな埼玉県さいたま市土呂町の美容室hair+malunのオーナー鈴木信行さん、亜希さんご夫婦とは、早いもので出会ってから2年以上経ったんですね。
当時はまだコロナ禍が深刻化するまえの時期でしたから、鈴木さんご夫婦も代々木上原にあったbhのオフィスに来社してくれて、直接お会いしました。
そのまま数日後から「レクチャー&コンサルティング」のフルバージョンをご依頼いただき、2/3より早速、講義とセッションを2週間おきぐらいのペースで進んでいきました。
当初は、プロデュースまでは依頼するつもりがなかったらしく「レク&コンサル」で知識と準備が整ったら、ご自身で計画を進めていくつもりだったそうです。
しかしながら、最初の出会い直後から始まったコロナ禍・・・
開業目標は数ヶ月後という目標は一旦立ち止まり、コロナが落ち着くまで、無期延期という決断を下しました。ところが先が見えないコロナ禍の混乱に、鈴木さんご夫婦も大変悩まれてましたが、結果的に飯島のサポートを頼りに、コロナ禍でもやってやろう!という強い決意をしましたね。
2020年の夏、物件探しを本格的に始め計画実行を目指し動き出しました。そして8月25日に、現在の出店地である物件を飯島と共に現地でチェック。その物件で、そのまま一気に開業に向けて計画が始まりました。
この時点で、すでに出会ってからちょうど7ヶ月、かなりの時間を共に共有しながら計画をブラッシュアップしてきたわけですが、鈴木さんご夫婦は、さすがにこの時点で飯島が抜けて、自分たちだけで前進することに大きな戸惑いがあったと言います。(レクチャー&コンサルティングは物件特定するまでで終了)
その戸惑いの根源はもちろん、まだまだ事態が悪化の一途を辿るコロナ禍でした。
はたして混乱のコロナ禍でも、開業してうまくやっていけるのか?この疑問は、当時は巨大な恐怖に変わっていたこともあり、お二人は、このままの流れで飯島のプロデュースを希望してくれました。
正直なところ、コロナがどのような状況になっていくのか?これは飯島自身も不安は尽きませんでした。なにより、前例がないことですし、必ず成功に導けるかどうかの保証は無いわけですからね。
いわば、危険を承知の上でお二人と同じ船に乗り込んで出港するという感じでした。
もちろん、これは当時同時に依頼を受けていた他数件の依頼者も同じことが言えましたが。
そんな、hair+malun(ヘア・プラス・マルン)の開業計画でしたが、今こうして無事開業を果たし、しかも実際の運営を1年間通り抜けてきたわけですが、実際、危険を承知で飛び込んだこの鈴木さんご夫婦の独立開業計画は大成功だったと自信を持って言える結果でした!
確かに、コロナ禍という逆境はあったものの、それを想定した上での戦略、戦術、想定、そしてなにより状況に応じて臨機応変に対応する「柔軟性」これが、勝因だったと言って良いでしょう。
事実、ほとんど出会ってから1年後の開業実現となった2021年2月13日にはじまったhair+malunの実経営は、初月から一度も赤字を記録すること無く、ずっと右肩上がりの運営結果でしたから。
もちろん、これはご夫婦の頑張りの結果でもあります。しかし、世の中には、どんなに頑張ってもうまく行かない運営、必死でやっても結果につながらない事例があまりにも多く存在するのです。
これが意味するところを、今後の開業者さんは真剣に考えてほしいですね。
開業する人というのは、それなりの技量や才能を持っているからこそ開業を目指すのです。腕に覚えがあるからこそ、開業してさらなる上を目指すはずです。
しかし、その才能も、空振り三振で終わってしまっては意味がないんです。毎回しつこく飯島は本でも書いているし、実際に発言したりしていますが
hair+malunのような圧倒的な成功の勝因とは、
すべて抜かりない「事前準備」
これに尽きるのです。準備ができていなければ才能も奮えない。これがすべての答えでした。
さて、その「事前準備」
飯島はこの事前準備に徹底的にお付き合いするのが役目なんです。
日々飯島の経営するビーエイチでは、鈴木さんたちのように、途中の段階でプロデュースを希望してくれ、縁あって開業までご一緒する事例ばかりではありません。
実際にプロデュースでお付き合いするのは、ご依頼者のうち全体の3割以下です。
しかし、プロデュースで寄り添わなくとも、鈴木さんご夫婦と同様に、それぞれの成功を手にしている方々からも、開業後に感謝のお便りを頂いたりしているわけです。
何が言いたいかといいますと、飯島のプロデュース下でなくとも、事前準備さえしっかりしていれば、誰でも才能を奮えるフィールドが整うのです。
すなわち「事前準備」は成功の7割以上を担っている土台のようなものなのです。
さて、開業1年前から、開業1年後までのトータル2年間を飯島と一緒に走り抜けたhair+malunオーナー鈴木信行さんご夫婦ですが、確かな「事前準備」があったとはいえ、戸惑いや悩みもたくさんありました。
才能には陰りはなくとも、お二人が折りに触れ、揺らしたのは常に「心」でしたね。
結果的には、プロデュース開始以降の飯島の役目は、「事前準備」から、次のステージ「心」をつねに平穏に保つための数々のセッションだったと言っても過言ではありませんでした。
どんなに才が溢れる人材でも、それを支える「心」が乱れていたら、「才」はそれこそ、空振り三振を促進するものです。
今回、最後のコンサルセッションにて、最終メッセージとして鈴木さんご夫婦にお伝えたのは、総評としてその部分でした。
多くの美容師さん、理容師さんが、皆そうであるように、「職人気質」ゆえの完璧主義
目標を立てて、仮に70%の達成率をマークしたとしても、本人は30%の未達成部分に焦点をあてて、自分自身にダメ出しをしてしまう・・・
武道やアスリートの世界では、これこそが成長させる糧として評価されがちで、時には非常に効果を発揮する要素であることは否めません。
しかし、こと経営というフィールドでは、この基準は非常に「諸刃の剣」となるわけです。
ましてや、経営の素人、経営者1年生が最初からうまくやれるはずがないのに、
「もっと、うまくやらなければ!」
「俺は、一体何やっているんだ・・・」
「俺はダメだな・・・」
これはやがて負の連鎖となり、自身の内側に「負け癖」を増幅させてしまいます。
先々の伸びしろを著しく奪うことになってしまうのです。
特に、経営が始まった初年度に関して飯島は、
この「職人あるいはアスリート気質」を一旦脇に置いて、「自分自身を褒めるモード」を身に着けてほしいと考えています。
仮に先に掲げた目標の達成率が70%だったとしても
不具合の30%より、上手くいった70%の方にスポットライトをあててほしいんです。
最後の最後で、とっても優秀だった開業オーナー鈴木信行さんにお伝えしたメッセージはまさしくコレでした。
鈴木さん、このメッセージの意味、すでに自身で痛いほどわかっていたようでした。
しかし、長年培ってきた職人気質、これはある意味、勝つための手段として磨きに磨いてきた極上の道具です。
だから、これは捨てる必要はありませんし、捨てられるはずがないんです。
鈴木さんに伝えたことは、決してこれ(ダメ出しモード)一辺倒になるなということ。
他の道具(褒め褒めモード)も新たに手にしましょう。
そして、今までの自慢の必殺武器の所持割合を減らしていきましょう。
これからは新しい武器をいくつも手に入れる。
そして経営もベテランになった頃には、複数の道具を操りながら、場面に応じて使い分けるようになりましょう。もちろん、今の最大の武器も役に立つ場面が必ずありますからね。だから捨てる必要は一切ないんです。
開業1年間の実経営経験の中で、意外にも鈴木さんと時折苦しめたのは、鈴木さん自身がずっと大切に持っている最大の武器でした。
しかし、今は9割近い所持割合のそれ、
これからの経営経験を通して、いつしか他の要素で薄めていく事を目指してください。
実は、まだ、店舗の1周年保守点検(デザイナー&工事業者同席でのチェック)にお邪魔する予定が蔓延防止措置下により、先延ばしになっていますね。
それが済んだら、今度こそ飯島のプロデュース完全コンプリートとなります。
ちなみに!!
前回から、今回の最終セッションにかけて、最後に共有した目標売上額ですが、案の定、鈴木さんは、それを大きく上回る結果を出して最後の最後まで飯島を感心させたことを報告しておきます。
ひとまず、開業2年目突入おめでとうございます!今まで本当にご苦労さまでした。
鈴木信行さん、亜希さん、
最初の出会いから丸2年間、ずっと飯島を頼ってくれて心より感謝します。
ありがとうございました。
◯1/31開業後11回目のセッション記事
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/220131hair-plus-malun-11/
◯1/4開業後10回目のセッションの記事
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/220104hair-plus-malun-10/
◯12/6開業後9回目のセッションの記事
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/211206hair-plus-malun-9
◯11/1開業後8回目のセッションの記事
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/211101-hair-plus-malun-8/
◯10/4開業後7回目のセッションの記事
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/211004-hair-plus-malun-7/
◯8/18開業後6回目のセッションの記事
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/210818-hair-plus-malun-6/
◯7/5開業後5回目のセッションの記事
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/210705-hair-plus-malun-consulting-5/
◯6/7開業後4回目のセッションの記事
https://www.b—h.com/news/210607-hair-plus-malun-consulting-4/
◯5/10開業後3回目のセッションの記事
https://www.b—h.com/news/210510-hair-plus-malun-consulting-3/
◯4/5開業後2回めのセッションの記事
https://www.b—h.com/news/210405-hair-plus-malun-consulting-2/
◯3/6開業後1回目のセッションの記事
https://www.b—h.com/news/210309-hair-plus-malun-consulting/
<hair + malunの作品ページはこちら>
<オーナー鈴木信行さん、亜希さんご夫婦の開業時のインタビューはこちら>
インタビューでも語っている鈴木さんとの出会いのきっかけの本