独立開業に20代では早過ぎる?
私のところに開業の相談に来る特に20代の若い方々たちは「開業するのってまだ早いですか?」と尋ねてきます。バブル絶頂期に20代だった私ですが、あの頃は、むしろ20代で独立しなければダメ!というのが常識でした。バブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍と時代が移り変わり、それも過去の常識であり若いうちからの独立は時期尚早という見方が強まったりと、常に常識というのは変わり続けているものです。しかし、長年独立開業のセコンドに着いてきた経験から私の意見は、早すぎ、遅すぎなど無し。人それぞれ、最もモチベーションが高まったときこそが独立の最良のタイミングなのだと思います。
開業に年齢は関係なし
独立開業に20代では早過ぎるのでしょうか?
美容室開業において20代の相談者から
「まだ今の年齢では開業って早いですか?」
私はこの質問に対し毎回こう答えています。
「年齢は全然関係ないです」
よく技術系の職種である美容師さんにとって、それなりの経験や技量を伴わなければ独立開業などしてはならないという感覚があると思います。
たしかに、それら技術の経験がゼロで開業するのはいかがかと思いますが、
起業という観点から言えば、技術の高さは、あまり関係ないことなのです。
そもそも世の中の企業では、
仕事を取ってくる人=営業
その仕事を提供する人=技術(製作、製造)
この2つに分かれることは理解できますね。
社会の仕組みのほとんどはコレなのです。
世の中の仕組みはすべて分業制の方がスタンダード
営業の人はモノを作ったりできないけど、モノを欲しい人を絶え間なく連れてくる役目
技術の人は受注を受けた数が不足しないように、ひたすら製作を繰り返す役目
さて、美容業はどちらのタイプに属すると思いますか?
もちろん、後者の技術に属する職種です。
しかし、こうした技術畑の人種である美容師さんの場合、独立開業後は前述の営業と技術の両輪がバランスよく得られていないと運営は絶対に成立しないのです。
とかく、世の中の企業では営業の人と技術の人は考え方、基準が異なり、お互いに文句を言い合ってソリが合わないことが多いものです。
しかし、企業人は大義としてこの営業と技術の双方が協力しあわないかぎり永遠に仕事は成立しないことを常識としてわかっているものです。
美容師さんが独立開業する際に、このあたりまえの「仕組み」をまず受入れることが重要です。
もちろん長年の経験と共に技術が高いに越したことはありません。
しかし、開業後の運営という視点で考えれば必ずしもそれが絶対条件とはいえないわけです。
自身の技量が低くても優秀な従業員がいれば成立する?
極端な表現かもしれませんが、
美容の施術の経験が低めの開業オーナーだとしても優秀なスタイリストや、レセプション担当の人材などを集めてチームを束ねる才量やリーダー的資質を持ち得た人物であれば、運営というスタートをすることは可能となるわけです。
私が長年続けている武道武術に置き換えてお話しますが、
例えば、30歳という年齢の人物、
5歳から武道を始めて以来25年間今も稽古を続けている30歳の人と、
25歳で武道を始めて、5年稽古を続けている30歳歳の人、
どう考えても長く続けている人の方がすべてにおいて優っているはずですね。
技術者として美容師を10年続けていることはもちろん素晴らしいことです。
しかし、それは技術畑の10年の経験であって、経営の経験ではないのです。
技術の10年ではなく、運営を10年続けているというのはまるっきり次元が異なるのです。
実際の状況に身を置かなければ決して経験できないのが運営というものなのです。
運営経験は技術経験よりずっと尊い経験なのです。
美容室の独立開業をするということは、営業職と技術職を絶妙に両立させなければならない新たなフィールドを得ることとなります。独立前よりずっと大変であるということを理解してください。
独立開業、すなわち運営のスタートに適した年齢はあるのか?
答えは「一切関係なし」ということです。
運営経験を始めるという視点でいえば、
むしろ「早いほうが良い」という考え方もあるということなのです。
料金:税込 5,000円 場所:「原宿」または「恵比寿」徒歩10分圏内の会議室予定【今後の団体対面セミナー予定】
◯1/27(月)18:30~20:30
◯1/28(火)18:30~20:30
(※クレジットカード・paypay・当日現金決済可)
(※参加希望者数に応じて選定)
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