美容室WARAWA(ワラワ)開業計画・打合せ-5回目〜競争見積(入札)の重要性その1
美容室warawa(ワラワ)開業計画。打合せ5回目のレポートです。そろそろ店舗工事の競争見積(入札)の準備段階へ。昨今、ウクライナ情勢もあり、信じられないほど高騰している店舗工事費。こんな時期だからこそ工事の適正額の判断には複数業者の競争入札が重要なのです。
現在進行中、美容室WARAWAの計画の打合せの5回目、本日も午前中10時開始で〜13時ころまで約3時間弱行いました。
いつものように先行は店舗デザイン設計の打ち合わせ、今回はだいぶ具体的な設定まで進んでおり、家具関連、たとえばカウンターや客用ロッカー、作業カウンター、カラーラボ、セット面の家具など、細かい機能や引き出しの中の構造はもちろん、照明の回路分け(どのスイッチを入れると何処の照明が着くかの電源経路など)
店の全体感の方向性は定まりつつあるため、普段開業者さんの実際の作業面での機能性を追求した部分に焦点が絞られた打ち合わせを行っていました。そろそろ店舗工事見積の競争(入札)の準備を視野に入れ担当の藤井真哉も準備をはじめている段階です。
昨今、世の中的に工事費の高騰が凄まじいと業界では話題になっています。もちろんこれはウクライナ情勢に端を発するもので、噂によるとここ10年来において、これほどまでに建材も、職人手間も、なにもかもが高騰するのは初めてだという声もあるほどです。
飯島、藤井の予想では、通例の1.5倍はゆうに上回る可能性があると踏んでいます。しかし、このように物価が上がったとはいえ、開業者さんの公的融資の借入許容額が増やされたわけではなく、今回の審査の様子を聞く限り、この物価高騰以前の状況とまるで変わらない基準で、融資額は今まで通りの上限額であるという感じです。
ということは、本当に今この時期の開業をしようとするオーナーさんは、3年前の開業者さんより、同じクオリティの店を作っても、仮に1000万円の工事費レベルの店が1500万円になってしまうということ・・・
これは本当に悩ましい限りで、かなり慎重に予算配分バランスを考えながら、なるべく工事費以外の部分の出費を節約したり、抑えたりする算段が問われるところなんです。
この実際の工事費の見積を正確に見るまで、bhチームも、開業者さんもまるで実際の工事額がどれぐらいになるのか想像ができません。こういう時期だからこそ、絶対に競争見積りって必要であることを忘れてはなりません。
仮に1社のみに絞り込んで見積をとった場合、提示されたその額面が本当に適正なのかが判断できなくなります。
2〜3社で競争をかけることにより、どの業者も比較的高額な見積だったとしたら、本当に情勢が関与しているのだろうなと判断できます。逆にもし、3社中、1社だけが、いたずらに安い見積だったとしたら、これも疑う必要があるのです。安いから良いというものではないということです。
こういった場合、経験から言いますと、仕事欲しさにとりあえず安い見積を提示し、まずは仕事をGETすることが先決であるという考えを持っている場合があるのです。この場合、本当にトラブル続きになることも少なくありません。
したがって、競争見積りというのは、見積書の表示に提示された額面で背比べするものではなく、材料の数、分量、単価、人員構成の数、運搬の車台数など、プロの目線での査定が重要なのです。
こうした厳選な審査を行うことにより、一番安い工事費の業者が、多くの積算漏れを指摘され再提出した見積で大逆転の最も高い工事費になることもあるのです。
こんな混乱の情勢下で行う工事見積もりだからこそ、複数業者で正確に審査をかけないと、今の時期における真の適正額は判断できません。
競争見積り、すなわち入札というのは、簡単に複数業者に「見積もりだしてみて」というものではないということです。
とにかく詳細な設計図面が作成されないと、正しい競争見積りは出来ないということです。
さて、同時進行で行っているグラフィックデザインの打ち合わせも、まま、順調な進行状況といえます。
ただ、これも単純に絵柄をデザインしてもらうという簡単なものではないので時間は結構かかるのです。
特に、販売促進に関わる紙媒体デザイン時にやりとりする情報は、
施術メニューの額面決め、ポイント制によるサービス還元の方法、カードでどのように客と共有していくか、
また、店舗の所在を表す地図作成においても、周辺の大型店や小さなスポットをどれぐらい反映させるか、駐車場への誘導をどの様に告知していくべきか・・・・
とにかく、決め込んでいかなければならないことは山積みなのです。
これらの方針がしっかり定まらなければ、紙媒体に表すことは出来ないわけですから、開業者さんが、いつまでも悩み続けていると、文字通り完成はどんどん遅れていくことになります。
グラフィックデザイン担当の辻井泰子は、こうした際のタイムスケジュールに則った、的確な指示も開業オーナーさんに投げかけています。「遅くとも、次回までにこの項目を決定しないと間に合わなくなるので、必ず来週までに決めてください」こんな会話が飛び交います。
なかなか、こうした店舗デザインやグラフィックの打ち合わせの臨場感って、未体験の開業者さんには想像がつかないことでしょう。もちろん、このプロセスは楽しくもあるのですが、暗礁に乗り上げ悩みの渦中に落ちることもあり、本当に大変なんです。
bhのプロセスでは、店舗設計もグラフィックも、最低でも7回以上行いますが、正直なところ、これは相当経験を積んだ両デザイナーだからこその最低回数であり、経験浅いデザイナーの場合、必ず進んだ先で、小さなトラブルが沢山生じがちです。
なにより、いつも言っている通り、もし、物件の家賃がすでに今の時点で3ヶ月分無駄に流出していたとしたら・・・もし、すでに旧職場を退職していて1日も早い店舗完成に意識を向けていたとしたら・・・
これら、プチ悩み付きの細々した決め事に冷静に向かい合うことは出来ないはずです。
「この開業オーナーさん、いっつも怒っている、イライラしている・・・」
飯島も店舗デザイン設計の修行時代、こんな開業オーナーさんばかりだった気がします。
実は、今やっている飯島のプロデュースって、安全な開業に導くこと、開業予算を絶対にオーバーさせないこと、100%満足の店舗づくりをサポートすること、これが表面のスローガンではあります。
しかし、裏コンセプトとでも言いましょうか、それは、いかに開業プロセス中に、争い事をゼロにできるか、開業オーナーさんが常に平常心で、プロセスを楽しめるか、開業時に達成感を得れるか、こんな狙いもbhの創業時に掲げていた要素なんです。
今回のオーナーさんももちろん、良い意味でのお悩みにはぶち当たっています。しかし、手がつけられないような混乱やイライラを周囲に撒き散らすような状況とは程遠く、総体的に開業までのプロセスを楽しめているようです。
簡単なことのように思えて、すごく難しいこと。だからこそ、飯島が素人の開業者さんには必要なのでしょう。
まさしく、そうなりたいと思って飯島がbhという会社を作ったのが2000年でした。
あれから22年半、これ、確実に目指したとおりに、しっかりやれてきたなと思います。
次回6回目は1週間後、12/5、朝10:00より打合せ開始予定。
出店地、出店時期、オーナーさんの実名は、現職場を退職する段階まで伏せさせて頂きます。
いずれ、それらがすべて発表できるときまで、当実況コラムでこの開業者さんの進行状況を読みながら、今後のご自身の開業に役立ててみてください。
<2023/1/16追記>
埼玉県狭山市柏原美容室 warawaホームページ(準備中)
https://warawa-hair.com/
オーナー:福山裕太郎さん
今回の美容師さんと共に歩んできたプロセスはこちらで確認できます
↓ ↓ ↓
◯11/3・フルプロデュース前の融資コンサルの様子
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221103-bh-loan-consulting/
◯11/7・1回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221107-warawa-1/
◯11/14・2回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221114-warawa-2/
◯11/21・3回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221121-warawa-3/
◯11/28・4回目の打ち合わせ
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221128-warawa-4/
その更に前、
事前プロデュースの行程(一覧)
↓
https://bh-inc.co.jp/bh-inc_wp/news/221031-bh-pre-produce-index/