店舗出店時の工事見積は、開業者にとって解読できない怪文書?
店舗を開業する際「まずは見積もりとってみようよ!」という声が聞こえてきそうですね。細かい要望、壮大なリクエストを伝えることなく、いきなり工事業者や工務店に工事の見積を依頼したところで、正確な額面が提示されることはありえません。おそらく軽い感覚で依頼した見積書というのは表紙を含め4〜5ページの薄っぺらい見積が提示されるはずです。これはプロの基準で言えば「見積」といえる代物ではなく、概算程度の、いわば計算書のようなものです。これらを見て、高いとか安いとか判断するのは非常にナンセンスなのです。正確な額面を提示する見積書は、細かい設計図が完成していないと積算できないものであり、そのプロセスで作られた見積書は必ず20ページ相当に及ぶかなり詳細な内訳明細書が含まれるものです。しかし、この内訳明細書とは開業者ではとても解読不能な怪文書のようなものなのです。
開業者さんには見積書を正しく読み解く事は無理
表題で述べたとおり、最低でもしっかりと設計図が作成されていなければ当然正確な見積書は提示されるはずがありません。
したがって、本当にどれぐらいの予算が必要なのかを検証するためには、まず設計をしっかり固める必要がることが前提であることをまず知っておきましょう。
さて、しっかりとした設計図を元に積算された正確な見積書ですが、
この店舗工事の見積書の内容をきちんと解読できる人はまずいません。
緻密な設計の指示が多ければ多いほど、見積書のページは増えるわけですから、
手にした見積書は約20ページ相当におよぶそれなりの厚さを伴う文書です。
しかし、ほとんどの開業者は、
見積書の表紙に書かれている合計金額だけを見て、
高い、安いの判断をしているのです。
そう、表紙の額面しか見ていないということ。
ここが要注意なのです。
実際の工事見積書の読み方
正確な工事見積書というのは、表紙の次の2ページ目以降、工事の各項目の一覧表示のページがつけられています。
仮設工事・・・一式の額面
解体撤去工事・・・一式の額面
内装造作工事・・・一式の額面
左官工事・・・一式の額面
塗装工事・・・一式の額面
Etc…
表紙に提示されるのは2ページ目にこの工事項目一覧表が付けられており、
この各工事管轄の額面の総合計額が記されているわけです。
注目すべきは3ページ以降の部分です。
3ページ目以降は2ページ目の各管轄の工事内容をさらに深く、詳しく解説した
「内訳明細」が連なっているのです。
例えば一つ、塗装工事の項目を覗いてみたら
AEP塗装工事 単価:¥2,000✕数量:100㎡=¥200,000
このような詳細な内容を表す項目が何行も何行も、塗装工事以外の項目も含め、トータルにすると100項目を超えるほどの行数が連なって記されているはずです。
開業者が最も知りたいことは表紙の合計額面ではないはず
ここで考えてほしいのは、
開業者が最も知りたいのはココではないですか?
AEP塗装って、一体に何?どんな塗装なの?
¥2,000/㎡って、相場的に安いのか、高いのか?
そもそも、100㎡という数量が本当に合っているのか?
見積書の読み解き方を知る以前に、たったコレだけの疑問を持つことがとても大切なのです。
もし仮に、正確な数量は80㎡しかなく、単価の適正相場は¥1,500だったとしたら?
AEP塗装工事 単価:¥1,500✕数量:80㎡=¥120,000
この1項目だけで、¥80,000盛られているか、間違いがあるということになります。
前述した通り
見積書の内訳明細に書かれている全項目数は100行を超えるほどあるもの。
もしも¥80,000という積算ミス、あるいは数量違いが100行分存在していたとしたら・・・
結果的には¥800,000が高い見積りということになってしまうわけです。
開業者の代理人として見積を解読できる専門家・店舗デザイン設計者に頼む
しかし、こうした専門的な基準や単価の相場を開業者さんが詳細に判断できるはずがないのです。
だからこそ、店舗デザイン設計を担当する人物のチカラを借りて、この部分の査定しチェックを厳重にしてもらうように指示すべきなのである。
開業者がこの、設計者の協力が必須であるという基準を理解できてさえいれば、おのずと
工事見積を取る前に、設計を担当する人物と打ち合わせを繰り返し図面作成を先に行う工程を踏むはずです。
そして次のステップで、工事業者の見積依頼という段階に進めます。
そして提出された見積書の信憑性、妥当性のチェックは、自身では無理。
専門的知識を持つ、設計者を頼らなければ適正は測れないということです。
すなわち、設計を担当する人物と、工事を依頼する会社は
別々に依頼していないと、このチェックは信憑性が危ぶまれることに気づいてください。
独立開業では、非常に大きなお金を費やしてするもの。どうしても開業時というものは普段持っている数千円の基準を飛び越えて、数十万円単位のチェックがおろそかになりがちです。
工事業者から提出された見積書に対し、少なからず疑って、
項目、物量の過不足、適正な額面、妥当性などを
自分の代わりに細かくチェックしてもらう役割として店舗デザイン設計者に頼るべきです。
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