施術料金を上げるという行為の注意点について!〜名古屋美容室Flamingo Flare開業後7回目コンサル
【プロデュース進行中計画】薄利多売スタイルではなく、技術や品質が最重要と掲げる運営スタイルを追求し続けている柴田昭子さんですが、日々サロンワークの裏では、さらなる技術向上の努力をしています。由緒ある資格をさらに増やしたり、インストラクター昇格も間近。それに伴い近々、施術単価を上げることになります。今回は料金を上げる時のノウハウに触れます〜愛知・円頓時商店街美容室フラミンゴフレア、開業後7回目のコンサルセッション。
愛知の美容室FlamingoFlareは、現在開業から7ヶ月経過しました。開業初年度という試運転のような経営期間の真っ只中です。
そんな緊張感あふれる1年目の現在、普通にサロンワークをこなしながらオーナー柴田昭子さんは、精力的にさらなる技術向上の為に新たな技術講習に通ったりしています。それらはどれもかなりハイレベルな技術であり、柴田さんはいくつかのインストラクターの称号を得る程の段階に達しています。開業初年度でありながらも、運営のさなか、リアルタイムで益々、資格を増やし続けているのです。
FlamingoFlareの場合、当コラムで何度も触れている通り、薄利多売のサロンではなく、高単価でも品質をしっかり分ってくれるお客様の為のプライベートサロンとしての運営です。こうした新たな技術向上の為の講習に通う時間も、やたらと忙しい運営スタイルにしてしまうと不可能となります。これは事前段階の開業計画コンサルティングの段階で散々触れてきたところであり、決して忙しすぎる状態を作らない前提を掲げて来ました。まずは、その方針に乗れているからこそ、こうして柴田さんは、予定通りに新たな向上の為の時間を得ることが出来ているのです。
一般的に「開業したら、私も、そのようにしよう」と、どんなに自身で思っても、実際の運営が始まり、ましてや初年度の不安定な心模様において、その通りのラインに乗れている人って、そうそう居ないはずです。まさに「言うは易し」というわけです。開業初年度のゼロスタートでは、経験する全てのことが初めてのこととなり、良くも悪くも開業者自身の『癖付け』が始まる瞬間なんです。良い習慣に乗っていけばよいのですが、とかく悪い習慣の方に囚われ、抜け出せなくなる事も本当によくある話です。そういう意味では、柴田さんは開業から7ヶ月、サロンワークの運営リズムに関しては、一切ブレている感がありません。非常に落ち着いているという印象です。
さて、今回のセッションで扱った部分は、柴田さんはこのまま予定通り新技術の資格を得る段階に進んでいくと、当然今まで7ヶ月間に販売してきた施術単価より高額な単価にする必要があります。しかし、開業者さんがよくぶち当たる部分として、この「単価を上げる」という行為は非常に緊張感を伴います。そもそも美容師さんに限らず、どんな商品を提供している店でも、値上げは、場合によって従来の常連客を著しく減らしてしまうリスクを伴います。
値段を上げたら、来なくなってしまうお客さんもいるのではないか?この疑問に苛まれるのは初年度オーナーにとって大変な戸惑いとなります。さて、この値上げですが、何故値上げをすると失客してしまうのでしょうか?
実際に値上げが原因で失客を経験した美容師さんがいらっしゃいましたら、自身の実例を振り返ってみてください。
逆に、値上げをしても失客することなく、ずっと付いてきてくれている客もいませんか?その違いは何だと思いますか?
まず、失客組は多くの場合、“安さ狙い”のはずです。一般的な美容の集客サイトでサロンを探して来る客の多くは、こうした人が圧倒的に多いでしょう。だからより安い所に浮気しやすいし、クーポンなどのお得が多い方に店を変える行動をとりやすい。
一方、単価が上がろうが離れない客は、相当なレベルで店側に惚れ込んでいる。価値を感じている。「ここでなければダメなんだ」と思っている傾向があります。
開業のコンセプトを柴田さんと立ち上げた頃の話ですが、柴田さんの常連客の状況を聞かせて頂き、何故柴田さんが支持されているのか?事業計画を立てていく最初の段階で、これをまず飯島は探求します。過去、勤務先の店を何店舗か渡り歩いて来た柴田さんに10年以上に渡り、離れず付いてきたお客様は100人を超えているのですが、何故付いてきたのか?その「何故?」にすべての答えがあります。
それが、柴田さんが有する確かな技量だったり、パーソナリティー(人柄)だったり、そしてなにより、前述の“安さ狙い”の客は、そもそもお呼びでないということなんです。
実際、柴田さんは近々、技術のレベルがアップすることをお得意様の客に、事前にしっかりその事情を今のうちから丁寧に説明しているそうです。
「この資格を得たら料金が上がってしまいます」
本来なら客側は「どうして高くなっちゃうの?」となるのが常ですね。しかし、柴田さんの場合、ほとんどの客がそういう発言ではないそうなんです。
「柴田さんが提案するならそれで良い。料金が上がってしまっても変わらず、あなたにお願いする」というのです。
こんな話、飯島が聞かされても、実は、全然驚きません。まぁ、そうでしょうねという感じなのです。だって元々の計画自体が、高額であっても価値が分かる目利きの客だけにお手伝いするためのお店なのですから。だから、これ、すべて想定内の話なんです。
さて、ここで、一般の美容師さんが単価を上げる際に問題となる事例をアドバイスしておきますね。
柴田さんは、数ヶ月後に、『何故』料金が上がるのか・・・いや、何故料金を上げざるを得ないのか・・・
ここをしっかり丁寧に説明しているから、しっかり客に届くということです。あたりまえなことのようですが、これを多くの店はやっていないんです!単価が変動する事に対し、その理由を客に伝えることってすっごく重要です。
また、単価が上がる事を伝えるだけでは足りません。単価が上がり、技術はもちろん、使用する薬液など、すべてがバージョンアップすることにより、『どんな不具合がより改善されるのか』これに納得がいくように説明をすることが重要なのです。
柴田さんの話を聞けば、新技術導入により、単価は上がるけど、品質が向上することにより来店頻度を長くすることができたり、髪質が格段に良くなるとか、素人の飯島が聞いても、イイコトだらけなんですよね。美容施術に関して何も知らない飯島が、説明を聞いて、「それいいじゃん!」って思えるのですから、これが個々のお客様に伝わらないわけがないんですよね。
美容業に関わらず一般的に商売をしている人は、こうした法則の理解度が低いゆえに、単価を上がることは『悪』であり、高くなったら客が離れてしまうという恐怖感ばかりに焦点をあててしまいます。そして結局のところ、単価を上げることを見送り、薄利多売でなんとかしていこうという道を選びがちです。結果、やたら忙しいけど、一向に満足が行く利益があげられないという悩みのお店は世の中にたくさんありますね。
また一度下げてしまった料金を再び上げることは、最初に料金を上げる時より数倍難しくなるものです。なので、料金の変更は絶対に安易な思いつきでやってはいけないというのが前提であると捉えておきましょう。しかし、商売をしている以上、今回のコロナ禍のような世の中の情勢の動きによっては料金を見直さざるを得ない局面は時折あるものです。その変化に柔軟に合わせていくことは大変なことではあるのですが、少なくとも料金の変動には、客が納得いく確固たる説明というものが必要不可欠であるということを認識しておくべきですね。
さて、柴田昭子さんのFlamingoFlareですが、労力はいままでと変わらずでこのまま進んでいくことでしょう。しかし、お客様に見えていない影での様々な努力により、自身をさらなる高みにレベルアップさせることを怠っていません。これは、間違いなく先々労力は変わらずとも売上を大きく増やすことに繋がってきます。
コロナ禍の事情により・・・・という理由ではなく、コロナでなくても通用する理由付けで柴田さんは料金を上げる仕組みを日々追求しているということですね。
柴田さんと開業前から共有して掲げたコンセプトから、一切はみ出ること無く順調に目指したスタイルを追求しながら進んでいます。改めてコンセプトって、絶対に軌道修正するべきものではなく、ずっと不変であるべきものであると、柴田さんも感じているはずです。
6/19の開業1周年までまだ5ヶ月あります。FlamingoFlareはまだまだ伸びしろがあると感じています。引続き、飯島と一緒に作戦練りながら高みを目指しましょう!
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