10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い ヘアサロン開業アカデミー

ニュース&トピックス

コラム

事前プロデュース10回目・物件適正現地検証&ここまでに絶対にやっておくべき事

【進行中計画】事前プロデュースの10回目・今回はいよいよ開業者さんが気に入った物件の適正をチェックすべく、飯島が現地伺い多角的に検証してきました。この物件特定までの間に先にやっておくべき重要なプロセスに関しても深くお話しています。それは現職場の退職宣言の話し方、そして融資の下準備についてです。

当コラムの本文読上げ音声データ(読まずに手っ取り早く聞きたい人へ)
注:飯島本人の声ではありません。

↓ ↓ ↓

今年の5月30日から「事前プロデュース」のご依頼を受け、近い将来の開業に向け腹をくくって臨んでいる某美容師さんの計画進行のタイミングに併せ、実況形式でbh飯島の「事前プロデュース」は、果たして開業者にとって、どんなことをしてくれるサポートなのか?これを少しでも理解してもらう目的で連載しているシリーズの10回目です。

さてさて、この美容師さん、6月から7月にかけての2ヶ月間で、かなり集中的に安全な開業の為の基礎知識、事業計画の立て方、収支計算のしかた、融資攻略方法、物件の探し方など、とにかく重要な情報収集の為のレクチャーとコンサルティングを続けてきました。

 

この日8月8日の段階で、すでにトータル約30時間、いわば飯島のプライベートレッスンを叩き込まれてきたというわけです。

 

そんな美容師さん、飯島の教え通り、着実に準備を整えてきました。

例えば、今回の美容師さんの場合の事例になぞらえて、代表的なところをご紹介しましょう。

 

まず、退職宣言!

もちろん開業者は、すでに飯島と関わっているということは、当然開業計画に向かって今、歩み始めているわけです。なので、必ず、現在働いている職場に、いついつまでに辞めさせてもらいます。というお話を、店のオーナーさんに事前に話さなければなりませんよね。

問題は、果たして、それをいつ、どんなタイミングで言うべきなのか?ここが非常に難しいところなのです。これに関しては、開業者それぞれの事情が異なるため、十人十色、人それぞれだったりするのです。

 

今回の開業者である美容師さんですが、もちろん、今この瞬間、物件さえ見つかりさえすれば、いつでも計画スタートを切れる!という段階に間違いなくコマを進めています。とはいえ、お目当ての物件が中々見つからなかったとしたらどうなることでしょう?

 

実は、なかなか物件が見つからない・・・という混乱に落ちる開業者は非常に多いのです。こうした場合、多くの開業者は、やがて・・・

 

「もうこの物件でいいや!」

という妥協全開のモードで、ともすれば、一生ともにする出店場所を安易に決めることになりがちなのです。ヤバいですよね・・・

だからこそ、現在勤務中の職場のオーナーに対しても、それなりの話し方というものがあるわけです。

 

「来年◯月に向けて、開業計画を進めています。つきましては自分の計画に合致する好物件が見つかった場合、開業から2ヶ月前、すなわち今年の◯月一杯で退社させてください・・・」

 

まぁ、これが一般的な退職宣言ですわね。

 

重要なのは、ここにしっかり補足事項を含めてお話することが、なにより重要なんです。

「ですが・・・物件が私にとって、都合よく見つかるかはなんとも言えません。予定より早く見つかるかも知れませんし、見つからないまま期間が過ぎてしまうかも知れません。なので、開業のスケジュールは、すべては物件次第なんです。現時点での希望は来年の◯月開業を目指しており、うまくことが進めば今年の◯月一杯までの勤務という前提になりますが、このスケジュールに関してはどうしても流動的になってしまう可能性があります。誠に勝手なお願いなのですが、実際の物件探しの進捗状況次第によっては、改めて退職時期を相談させていただくこともありうるということを、どうか、ご理解、よろしくお願いいたします」・・・

 

どうでしょうか?物件が決まる前に、こんな話、しておかなければならないんです。多くの開業者さん、この重要なプロセスを踏まずに、後回しにして物件を先に決めちゃいますよね。想像するに、その後、危険でしょ?めちゃくちゃ神経をやられちゃいそうでしょ?

・・・それと、物件を決めるまでにしておくべき事前準備をもう一つ!

 

この美容師さん、飯島のサポートのもと、物件が見つかる前から、今までのセッションの合間で、融資の下準備もすでにバッチリ整っているのです。物件が決まった段階ではじめて、家賃ほか不動産取得の正確な初期費用額面が明確になります。その額が定まり次第、事業計画資料に書き込み、予算配分など細かい金額の修正を加えたら、即、融資申請に走れるように、という段階まですでに用意が整っているのです。

実は、この時点で先に攻略しておくべきことは、この退職宣言や、融資の下準備以外にも、実はもっとあるのですが・・・ひとまず今回は代表的なこの2つに関してはすでに準備万端であるということをご紹介させていただきました。とはいえ、この2つだけをとっても、開業者にとって想像を超えるほどの大仕事であること、想像できますよね?

さて、前ふりが長すぎですよね・・・すいません、ここからが今回8月8日の内容レポートです。

 

今回の美容師さん、すでに複数の候補物件をこれまでの間に飯島に投げかけてきており、ZOOMセッション上や仕事が終わった夜のお電話や、ラインでのやりとりで散々検証を繰り返してきました。

そして出てきた美容師さんが心揺らされるほどのお気に入り物件。

 

この物件、金額面、立地面、コンセプト面、商圏面、すべてにおいてベストなものでした。ただし、旧飲食店の状態がそのままであり、これを借りるとすると、解体撤去がこの開業者さんのお金で対応しなければならないという、条件付物件なのです。

確かに敷金、礼金、家賃他、諸費用の額面だけで言えば、申し分ないものでしたが、場合によっては店舗工事費の中に含まれる解体撤去費が、かなり開業総額の予算バランスを崩してしまう危険性があります。あわせて、電気容量、ガスの有無、水圧問題など、物件の現状の設備状況が著しく足りていないような物件だった場合、この美容師さんの予算事情では無理、という判断となることもあり得るのです。

 

さて、いよいよ飯島が現地に赴き、これらすべての検証の為に出向いたのが本日8月8日なのです。

 

ちなみに飯島は、いつも、レクチャーの際、最初の自己紹介時にも毎回お知らせしておりますが、店舗デザイン設計を20年以上にわたり経験してきたので、こうした設備事情の過不足のチェックはもちろん、同時に店舗デザインへの展開上、店舗運営に障害になる周辺事情の危険性、来客者にとって非常に良くない環境状況があるかどうかなど、物件自体はもちろんですが、その建物自体の状況、周辺の状況など、多角的な総合判断をしてあげるのです。

 

ということで、飯島の拠点である東京から離れ、関東地方とはいえ、やや遠方の現地に赴き色々ジャッジさせていただきました。

さて、結論ですが、たしかに解体撤去費用が開業者さん負担になるものの、それでもなんとか、やり方次第ではこの美容師さんの総予算範囲内で店舗工事費が確保できそうという判断をしました。

 

ただし、解体撤去費(飯島の推定では50万円から70万円)の費用が流れ出てしまうわけですから、お店作り、すなわち店舗デザイン設計は、あまり贅沢はできないバージョンでなら・・・ということを納得の上ならOKというアドバイスをしました。

 

これに対し、開業者は十分に納得してくれたので、この物件を対象に計画を進めていこうという決心に至りました。しかし、まだこの時点で両手放しでは喜べないということを忘れてはなりません。

 

不動産物件というのは、まず「申込」という段階を踏まなければなりません。

 

不動産でいうところのこの「申込」ですが、いわば「私がココ、借りたいです!」という宣言のようなものと考えてください。

 

この表明直後に、まずは大家さん側の管轄となる「家賃保証会社」の入居審査に進みます。この入居審査がNGだったら、この物件を貸してもらえないということになります。

 

ということで・・・この日のうちにまずは「申込」をしてしまわないと・・・簡単に1週間、2週間とズレ込み、結果的には開業時期が数ヶ月遅れる羽目になりかねません。

 

気に入った物件だと判断したなら、ここから先は、何事もグイグイと進めていかなければならないのです。飯島は、現地で早速そんなアドバイスをし、物件検証後、その足で、不動産屋さんに移動、飯島も同席のもと、まずは「申込」をし、入居審査の審査待ちという段階に、いよいよこの計画をさらに一歩進めました。

 

さ〜てさて・・・

「事前プロデュース」は各種レクチャーとコンサルティングで関わりながら、一応、無事にこの物件が正式に借りられることが決まった段階までとなります。

 

それ以降の行動は、もちろん今までの集中講座ごとく行われた30時間におよぶ数々のレクチャーとコンサルセッションにより、後は自力で計画を進めていくためのものです。今回の当コラムでは「飯島の事前プロデュースとは一体何をしてくれるもの?」これを知ってもらう目的でご紹介しているものですから、入居審査が通れば、飯島のサポートはココまで、同時にこのシリーズのコラムもココまでということになります。

 

ただ、事前プロデュースの対応期間は3ヶ月としているので、この美容師さんの場合、スタートは5月30日で、3ヶ月までは、まだ3週間ほど残っています。

この期間の間に、入居審査の結果は出るでしょうし、融資の詰めの段階で、すくなからずアドバイスが必要でしょう。なので、物件が決まってからしばらくの間は、まだまだお手伝いは続くことになります。

 

ですが・・・この美容師さん、そのままフルプロデュースのリクエストをしてくれております!嬉しいですね。感謝です。

物件の入居審査が通り、この場所でお店を立ち上げる本当の準備が整ったら、そこからがフルプロデュースになります。フルプロデュースに進めば、まずは融資コンサルティングで、融資の徹底的なサポートに移ります。と同時に、店舗デザイン設計、グラフィックデザインなど、計画全般にわたるスケジュール管理、各デザイナーの監修、店舗工事の監修と、そしてなにより開業総額の徹底管理です。絶対に開業者を予算オーバーさせない。余剰金を残させる。経営者としてのスタートラインに立たせる。

 

プロデュースって一体何?

月並みな説明ですが、教習所の教官が助手席で常に指示を出しつつ、危険ならブレーキを踏んでくれる。とにかくクルマを降りるまで無事故で送り届ける・・・みたいな。

 

24時間マラソンでやっている、タレントの横に寄り添って走る伴走者。

 

ボクシングなら、セコンドとして常に横にいて激を飛ばす丹下段平(わかるかな?)

 

この計画、まず入居審査は間違いなく通過します。

久々のフルプロデュース計画がスタートしそうです!

 

コロナ禍で、この2年ほど、本当に開業事例が減っていたことにより、フルプロデュース案件は長らく無くって、アドバイスや相談のみで過ごして来た日々でした。だから、久しぶりのフルプロデュース計画、本当に嬉しいです。魂込めて、ガチで一生懸命サポートしようと思う!感謝!

 

 


以下、2022/11/8追記

【事前プロデュース・実際のサポート実況レポートINDEX】

◯事前プロデュース1回目・レクチャー
(安全な開業の進め方を理解する)
https://bh-inc.co.jp/news/220530-bh-pre-produce-1/

◯事前プロデュース2回目・レクチャーの続き
(1回目の補足、かなり深いレベルまで)

https://bh-inc.co.jp/news/220602-bh-pre-produce-2/

 

◯事前プロデュース3回目・コンセプト
(社会的役割の明確化とコアターゲット設定)

https://bh-inc.co.jp/news/220609-bh-pre-produce-3/

 

◯事前プロデュース4回目・コンセプトの続き
(店舗デザイン設計の方向性を定める)

https://bh-inc.co.jp/news/220613-bh-pre-produce-4/

 

◯事前プロデュース5回目・収支計画&開業総額計画
(3年後までの収支や借入能力診断を含むセッション)

https://bh-inc.co.jp/news/220620-bh-pre-produce-5/

 

◯事前プロデュース6回目・物件攻略レクチャー&行動計画工程コンサルティング
(物件情報見分け方・初期費用の減額交渉法・開業者の今後の行動工程表作成)

https://bh-inc.co.jp/news/220627-bh-pre-produce-6/

 

◯事前プロデュース7回目・日本政策金融公庫攻略レクチャー
(創業計画書の書き方、添付資料の揃え方、融資審査面接の臨み方)
https://bh-inc.co.jp/news/220711-bh-pre-produce-7/

 

◯事前プロデュース8回目・日本政策金融公庫の添付資料作成実習
(3年間の収支シュミレーション表作成)
https://bh-inc.co.jp/news/220721-bh-pre-produce-8/

 

◯事前プロデュース9回目・経営者になるための意識改革レクチャー
(自営業者でなくビジネスオーナーに!セルフイメージ、コンフォートゾーン)
https://bh-inc.co.jp/news/220728-bh-pre-produce-9/

 

◯事前プロデュース10回目・物件適正現地検証&ここまでに絶対にやっておくべき事
https://bh-inc.co.jp/news/220808-bh-pre-produce-10/

 

◯事前プロデュース11回目(終)・今後の行動計画表作成
(これからのTo-Doを詳しく指南)
https://bh-inc.co.jp/news/220815-bh-pre-produce-11/



オンライン動画講座集

↑bh飯島由敬・動画オンライン講座集リストへ


【bh飯島由敬・著書及び監修書籍】

著書(2023年発売)

解説美容室開業

著書(2022年発売)

店舗開業のあたりまえ

著書(2018年発売)

美容室が10年後も変わらずに運営できているかはすべて開業時に決まる!

監修書籍(2008年発売)

はじめてのヘアサロンオープンBOOK


【独立開業出店のご相談・各種講座】

bh 飯島由敬 直接対応による無料相談ほか、各種講座受講の申込は⇒こちらより