10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い ヘアサロン開業アカデミー

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OaK開業までの軌跡 開業までの足あと

OaK開業までの軌跡

開業までの足あと

東京都東村山市栄町2-10-63-B1F

http://hairbase-oak.com/
オープン
2013年12月3日
受講コース
フル・プロデュース

オーナー木住野 雅之さん
 

2013年7月31日(水)同年3月より4ヶ月に渡り事業計画診断で共に開業計画を練ってきた29歳のオーナー木住野雅之さんの物件チェックでした。実は木住野さん、最初事業計画で飯島に相談していたのは住宅を購入して店舗兼用住宅として開業する計画が希望でした。

しかし、様々な角度から共に収支シュミレーションを繰り返した結果、戸建てを購入して運営するよりも、テナントを借りて行う開業の方が断然有利であることを痛切に実感し、途中で計画を軌道修正したというプロセスがあった。

物件は久米川から徒歩数分圏内の商店街と住宅地の境い目といったところ。場所は地下であるが、もともとメンズびいきの理容ベースでの開業を希望していたため、いわゆる秘密基地的な存在感を出すのに好都合といえる物件であった。

 

 

2013年8月14日(水)コンセプト構築

物件チェックから約2週間経過したが、この期間に不動産業者との細かい交渉などを行っていた。まずは、借入の融資が内定するまで家賃を発生させないようにしてもらうこと。融資が通らなかったような最悪の場合は白紙撤回してもらうように検討してもらうこと。いわゆる一般的には無理でしょう・・・と思えるような事であっても自身の事情を丁寧に説明して協力してもらうという姿勢が重要なのである。

そんな2週間を経て、早速プロデューススタートとなりました。まずは木住野さんのお店のコンセプト(理念)の部分をしっかり固めた上での店舗イメージ打合せと繋げていきます。この日の段階ではまだ店舗デザインを担当する藤井は同席しておりません。

 

 

2013年8月21日(水) 設計&販促グラフィック打合せ1回目

この日から本格的な打合せがスタートとなります。愛知から辻井も出張し同席。先週スカイプ越しに打ち合わせしたコンセプトの部分を確認しながら、その方向性を店舗デザインに反映させていきます。この日も実質上、藤井はひたすら聞き取っている段階に近い。この段階でいきなり図面やら、デザイン画を見せるというのはちょっと時期尚早。オーナーさんに気に入ってもらうために最初の段階で画と図面と見積もりがセットで提案する一発勝負スタイル、初回から一気に心をつかむ!なんていうやり方はbhには存在しない。

 

 

2013年8月31日(土) 設計&販促グラフィック打合せ2回目

先週がっつり聞き取った内容を元にして、ようやくこの日から図面の打合せも加わった。

店名は当初から木住野さんが決めていた方向性のまま「OaK」に決定しています。オークとはいわゆる木の名称なのだが、自身の名前にも含まれる「木」にあやかったのもあるが、「多く(の人と出会う)」という意味も含めているし、OKの間にa(一個人のために)を入れて、OaKといった、複数の意味合いも含めている。

 

 

2013年9月6日(金) 設計&販促グラフィック打合せ3回目

店舗イメージは、メンズびいきの店舗を意識し、力強く、地下の基地のような感覚を表現することを目指した。お手本は所ジョージの世田谷ベース。仕事場なのだが、好きなアイテムの倉庫を兼ねたような考え方である。したがって、オークにはサブネームとして頭に「Hair base」がつけられることになった。もう一つは、オークのキャラクターとして木のロボットをカスタムして象徴とすることにした。

 

2013年9月12日(木) 設計&販促グラフィック打合せ4回目

店舗デザインと販促グラフィックが大きく連動しながら打合せは進んでいきます。時折、店舗担当の藤井と、販促担当の辻井の間で細かいやりとりがなされる。店内に使う予定の材質の風合いやカラー、狙う路線から店名ロゴを骨太のオトコっぽい文字で表現するなど・・・理容師さん美容師さんはこの開業の為の設計段階において販促物のデザイン要素をとても軽く捉えている人が多いように思う。どちらが大事という次元ではなく、両方同じぐらいの比重で重要だということを知っておいて欲しい。

 

2013年9月27日(金) 設計&販促グラフィック打合せ5回目

木住野さんは、今回の打合せにオークのアイキャッチアイテムとなる木製のロボットを購入して持ってきた。これは一般にも販売しているもので、もともと立方体の状態なのだ、それを崩していくとこうなる。問題はこれを元に戻すのが難しい。ちょっとした知恵の輪的なおもちゃなのだ。

ここに自作で用意したメガネを付けて、ちょこっとだけカスタムし、販促グラフィックの中に反映させてゆくのだ。下の写真をよく身て欲しい。まさしくこれ、木住野さんそのもの。

 

 

2013年10月4日(金) 設計承認&販促グラフィック打合せ6回目

設計はすでに素材の絞り込みまで進んでいた。この日は奥様も打ち合わせに同席した。お二人には小さなお子様がいるため、毎回参加することはできなかったのだが、旦那さんが日々どのような計画を歩んでいるのかを一度は見学してほしいという願いから参加してもらいました。この日の段階でいつもより一足早い設計承認とした。木住野さんの計画はちょうど年末の開業予定となる。毎年年末の開業というのは、微妙なスケジュール配分となることが多い。年をまたぐか、年内に開業するかは非常に大きい違いとなる。なにより家賃が発生するというバランス感覚から、どうしてもお急ぎの設計承認が必要なのである。

 

 

2013年10月16日(水)競争見積(入札)

今回も3社の工事業者さんを現場に集め、藤井デザイナーの指示のもと積算の説明会が行われた。これも複数業者が同時に場内にいることが重要。仮に3社分、それぞれ分けて説明会をしてしまうと、藤井の説明が毎回微妙にニュアンスの異なる説明となってしまうことがある。店舗工事ともなると、こうした僅かなニュアンス違いは数十万の違いを生み出してしまうことも多い。当然、同時にその場にいれば、ある業者が質問を投げかけ、それに応答したとしても、他の2社はそれを同時に聞いていることになるわけだ。入試の試験でも同じでしょ?答案用紙は皆同じものもらい、同じ時間にスタート、同じ時間に終了。とにかく受験者の条件を同一にしないと公平性はなくなってしまうことになるということ。

 

 

2013年10月18日(金) 販促グラフィック打合せ7回目

すでに入札で複数工事業者が落札を目指ししのぎを削りながら積算している間も木住野さんとは販促デザインの打合せを続けています。

ちなみに、設計を終えている藤井にほんの唯一、ひと息つけるのは、この時期だけかもしれない。店舗デザイン設計というのはただ空間の雰囲気を考えて、図面を書いて・・・というだけの仕事ではないのだ。業者への監理指導、保健所や消防署などの所管庁に対する事前相談~申請のガイド、入札の進行、各業者から提出された見積の詳細なチェック(各項目ひとつひとつに対し、高すぎとか・・・安いとか、足りてないとか、多すぎとか・・・)そして工事が始まれば、工事現場が指示通りに進行しているかのチェック、そして近隣問題他様々なトラブルの交通整理など・・・

すごく大変な仕事なのである。開業者さんと組むとほぼ3~4ヶ月が完全に拘束されることになる。

「図面はタダ」というフレーズ、本当に疑って欲しい!

 

 

2013年10月25日(金) 設計補足打合せ7回目

すでに入札で積算は進んでいるのだが再び藤井の打合せが行われている。これはすでに入札後の集計が出ても額面が変動しない要素ところを打ち合わせしているのだ。

例えば、数点選びきれず迷っていた床材があったとしよう。最後の2択ができなかったという感じだ。こういった場合は、単価の高い方の材料を仮決定として全業者積算に走らせている。

最終的に安い方の単価になったとしたら、その項目だけ安い方の素材に置き換えれば良いのだ。
大事なことは3社の業者が同じ材料を前提として見積もりをしていることなのだ。

このように積算をスタートさせている後で、引き続き材料の検討をしていることも珍しくないということ。

 

 

2013年11月1日(金) PCトレーニング

木住野さんは、この日は店舗デザインの打合せでもなく、販促グラフィックの打合せでもなく、飯島からPCの操作法、ブログの書き方他に慣れ親しむためのトレーニングに来ていた。

理容師さんも美容師さん同様、開業までほとんどの方々がPCを操ることが出来ない。

開業した後、今の時代はネット上の広報活動は生命線といえるほど重要である。理美容師さんはPCが使えないけど、客は誰でも精通しており、お店に訪れる前にHPやブログを事前にチェックし、自分の大切な髪を、この店に委ねて良いものだろうか?どんな人が施術してくれるのだろうか?金額はどれぐらい?駐車場はあるのか?クレジットカード使えるのか?等々、あらゆる情報を得た上で来店という行為に繋げる。

しかもスマホ時代の到来と共に、それらPCは持ち歩く時代にもなってしまった。「私達は理美容師だから、そういうの苦手なんです・・・」などと言っている場合じゃない。そこで、bhではPCはに不慣れな理美容師さんにプロデュース中に、徹底的にPCの使い方、バナーなどの画像の作り方、戦略的なブログの書き方、フェイスブックページの設置、など、すべての初期設定はbhが代行し、それらの操縦法、ネット戦略を仕込んでいくことになる。

まぁ、木住野さんは、一般の方々より若干PC慣れしているようだったが、この段階のPCレクチャーを聞いたことにより、自分自身のアイディアが出てくるようにとても刺激されていたようでした。

 

 

2013年11月8日(金) 減額調整

いよいよ減額調整の日が来た。bhではこの打合せを通称:寒い打合せといわれてbh設立以来15年に渡り行っている伝統儀式のようなもの。

多くの会社は、できるだけ限られた予算の中に収まるようにあらかじめ節約モードで設計を進め、図面化し、すぐ見積もりという流れをとる。すると、オーナー自身の計り知れないほど存在するリクエストが足りないままの見積もりとなり、結果、工事が行われている頃に、過不足が連発し、追加予算を余儀なくされたりなど、きわめてトラブルの種になることが多いのだ。

bhでは、あえて予算を度外視して、欲しいと思えるもの、まぁいらないかなぁ?でも気にはなるなぁ?と思えるものもは躊躇なくすべて図面に一旦反映する。要するに要望120%のモリモリの図面を作る。

これを入札の為の基準(前述の答案用紙?)とするのだ。これを複数業者が競争しながら仕事を得るために少しでも安くしようと競いあうわけだ。

ここで最も安い見積もりを提出した業者がが候補となるのだが、この最も安い見積もりが、当然のことながらオーナーが予定していた予算額を遥かに超えているものなのだ。

ここからが本番!自分が使えるお金で、買えるぶんだけ、数ある要望の中から本当に必要な物だけ拾い出すというプロセスがこの減額調整なのだ。だからこのプロセスでは要素が増えることが一切ない、ただただ減る一途の儀式。だからこそ寒い!辛い!

でも最終的にシェイプアップされたものは、決してショボイお店にはなっていないはず!
この打合せは、経営者としてオーナーが「単価意識を養う」「一つ一つ、物品を確認しながら購入する」「必要、不必要をしっかり見極める」こんな感覚が身につくのだ。

もちろんこの減額調整は辛かったという過去のオーナーが多いのだが、開業後から数年後のお話を聞いても、これは非常に“経営者脳”にしてもらえた。自分にとって非常に有益だったと異口同音に語っているプロセスなのだ。

経営者になる直前のさながら「bhの検定」のような位置づけで行われてきた“名物打ち合わせ”なのだ。

 

 
 

2013年11月13日(水) 販促グラフィック打合せ8回目

販促グラフィックの打合せ最終日である、この日、印刷物の入稿直前の最終チェックが行われた。このように店舗デザイン設計の打合せより、販促グラフィックの打合せのほうが毎回、打合せの回数が多い。それほど、小さな紙面の世界というのはとっても繊細なのだ。

この日さらに、DM用のはがきを作るため、オークロボットをbhのオフィスで独自に撮影。この時の写真がそのままDM用のカードとなりました。

 

 
 

2013年11月15日(金) 工事契約

正式な工事契約が完了しました。ここまで、なにごとも無く順調な運びに見えるかもしれないが、この木住野さんの開業計画、この後、本当に大変でした。

今まで行ってきた打合せプロセスはすべて「会議室で起きていたこと」

でも事件は?

このフレーズわかりますよね?

そう事件は現場で起こるのです。

 

 

2013年11月21日(木)保健所事前相談&現場視察

前述したように、お店を出すためには開業オーナーさん自身が営業の許可を取るために保健所に申請をしなければならない。ただこれはあくまでも「営業許可申請」という次元の話。

これとは別次元で店舗の作り方などに関し、市町村によって様々なルールが存在するのだ。極端な話だが、渋谷区の条例と、目黒区の条例は異なり、道路1本渡ると、お店づくりの規約が変わる・・・というような事がありえるのだ。もちろん、こういった市町村のルールを把握しているかどうかは店舗デザイン設計者の技量の一つでもあるが、常にルールは変わらないことはありえないので、毎回工事着工の初期段階で藤井は店舗設計上の事前相談に出向くのだ。

ここにタイミングを合わせて、木住野さんの許可申請の相談も一緒に同行するようにしているのだ。なにかと初めてのことばかりで心細いオーナーさんの心模様への配慮はbhは非常に気をつけているところなのです。

その足で、藤井と木住野さんは現場に移動し現場視察しました。まだ工事スタート時期なので、ほとんどが配管、配線などの、いわゆる工事の下ごしらえ的な場内でした。

 

 
 

2013年11月25日(月) 現場視察

bhでは、こうした工事視察には開業オーナーが決して一人で行かないように指導しています。必ず藤井同行のもとでの現場視察というルールを敷いている。なぜかといえば、オーナーさん一人で言ってしまうと、「見なくて良いものを見て不安になる」「やたらと職人と仲良くなる」などがあるからだ。

どちらも非常に良くないこと!

前者は不安がどんどん募り、他のやるべき仕事に手がつかなくなる恐れが生じるのだ。職人さんたちの会話は常に怒鳴り合っていると勘違いするほどのトーンだ。はじめてそれを目の当たりにして、一気に不安になったり、疑心暗鬼になるオーナーは多い。現場とはそいういうものだという事を知らないのだから仕方ないが。

一方後者もまずい!
職人と仲良くなると、いわゆるナァナァになってしまうということ。これは手抜きや、やっつけ仕事に繋がることが多い。

以上のことから、オーナーは業者の監督はもちろん、職人との直接会話を禁止するぐらいがちょうどよいのだ。

場内で気になった箇所や、要望があったら、ひそかに藤井に伝えて、代わりに指示を出してもらう!逆に業者側からオーナーへのコンタクトも必ず藤井を中継する。この監理体制は非常にトラブルを最小限にする取り組み方なのだ。

店舗デザイン設計者の仕事で最も重要な部分はこうった監理の業務だと飯島は思っている。
単純に、素敵なデザインを作れる、図面を描ける。これだけの人材はたくさんいることと思うが、これだけでは不十分なのだ。

現場にいる荒くれ者?たちが一目置くような存在感、交渉能力、影響力、怖さの様なものをすべて持ちあわせてこそ優秀な店舗デザイン設計者といえるのだ。

これらすべてをバランスよく持ちえている人材は実は非常に少ないのだ。

さて、前述したが木住野さんを襲った混乱はちょうどこの時期だった。詳細は語れないが、現場というのは本当に色々なトラブルの種が存在する。しっかりとした監理体制を組んでいても避けられない要素というものもある。

木住野さんを襲った混乱の招待は・・・いわゆる近隣問題とだけ言っておきましょう。
もちろん、このトラブルには藤井と飯島が立ち会わせた有資格者(弁護士的な人物)も加わり、幾度にも渡る話し合いの場を持ち大事には至ることなく解決を見たが、木住野さんはすっかり心労を重ねて参っておりました。

木住野さん「もし飯島さん達がいてくれなかったら、果たしてどうしたら良いのかわからないまま途方に暮れていました・・・」と涙ながらに語ってくれたことが印象的でした。

 

 

2013年12月1日(日)現場視察

色々トラブルも経験しつつも、徐々に現場は完成に近づいております。木住野さんのこの頃の心境はワクワクというより、満身創痍状態。ホッとして疲れ果てているといった感じでした。

「どうであれ無事解決したのだからさ、木住野さん、テンション上げてがんばろうよ」って、この頃よく言っていたっけなぁ・・・

 

 
 

2013年12月3日 bh開業オーナー合同忘年会「bh unity 2013」

そんな渦中に催されたのが毎年恒例で行われているbhで開業したオーナーさんが一同に集まる合同忘年会「bh unity」に木住野さんも参加しました。

この会は2009年から毎年行われているものだが、bhが主催しているイベントではないのだ。
2009年5月開業の2オーナー・浦安ichieの伊藤護さんと巣鴨balancaの渡部洋さんの企画によるもの。
2人の声がけに非常に多くのbh開業オーナーが集まり飯島を囲んで盛り上がるという超ウレシイ企画なのだ。

この2013年の会では、まさに開業直前の木住野さんに対し、すべて同じ道のりを歩んだ経験を持つ多くの先輩理容師、美容師さんがエールを送ってくれるのだ。

先日辛い経験をして凹み気味だった木住野さんはこの会で大きなパワーをもらいながら充電することが出来たようですね。あらためて見ても良い表情をしております。bh開業オーナーさん達、本当に素晴らしいです。いつもありがとう!

bh unity 2013の様子はこちら

 

 
 

2013年12月4日(水)PCトレーニング2回目

おなじみ、PCレッスンです。この日は、買付け備品で仕入れてきたNEWパソコンを持参してのトレーニング。PCののセットアップ等々もしてあげました。木住野さん、表情がすっかり晴れておりとても安心します。

なによりも開業直前というのはこの事例に限らずオーナーは心がユレユレになることが多いのだ。でも心が揺れたまま、混乱を引きずったまま開業を迎えるのは致命的なことなのだ。

新規顧客を獲得するには、最初の1回目だけで全てが決まるもの。
開業時に陰りのある表情、疲れ果てた様子、イライラ、テンパリのオーナーと出会った人は恐らくリピートはしない。そしておそらく最チャンスは無いのだ。

だからこそ、OPENの日にはベストコンディションでなければならないのである。
良い仕上がりで舞台に立つ!これは経営者の重要な仕事であるということを肝に銘じて欲しい。

そんな状態をキープする難しさを担っているのが「開業における山ほどのやるべき事」なのだ。

 

2013年12月6日(金)工事引渡

まぁ木住野さんの開業も色々大変な部類でした。なによりも木住野さんの開業に関しては様々な世の中の動きというか、タイミング的な影響を受けた部分もあった。融資機関(日本政策金融公庫や銀行融資)は来年の4月に導入される消費税UPの影響からか、やたらと駆け込みが多くオーバーワークに見舞われていたことは想像しやすかった。これは木住野さんの計画に限らず、この時期は、どこも個人オーナーさんの創業であっても共通で審査がスムーズに行きにくかったようだ。

もちろんこの融資が無事に通らなければ開業計画をそのまま進めることは出来ないため、非常に緊迫感のある日々を経験したことと思う。なにより例年よりやたらと審査時間がかかったし、話を聞く限り、通常より審査員がテンパっているような印象を受けたものだ。おそらく抱えきれないほどの案件にパニックしながら多くの融資申請を捌いていたと考えられる。

そんな大量の駆け込み申請の中、どうしても個人開業の方というのは企業より後回しにされる傾向があっとも考えられる。そんな悪いタイミングの中の開業計画となった木住野さんの心労は他の方よりもずっと大きな不安を抱えていたに違いない。

 

 

そんな大変な時期での開業もこうしてなんとか無事に引渡しを迎えることができた。ホッとしたというのが本音だと思う。

 

 

引き渡し後の食事会もただただ飯島、藤井は木住野さん一家をねぎらいの想いでした。
本当にご苦労様。よく頑張りましたよね、木住野さんは。

 

 
 

2013年12月16日(月) 完成写真撮影会及び打上パーティー

一時は、こうした完成は見れないかも?といった弱音ものぞかせていた木住野さんだったが、堂々とした店舗を完成させることが出来ました。

この計画で大変だったのは木住野さんだけではなかった。店舗デザイン担当の藤井も近隣問題の間に入り、双方の折り合いをつけるべく奔走してくれた。何度も現場に足を運び、木住野さん、大家さん、近隣の方を交えて全ての人が納得できる方向を導いたのだ。いわば影の立役者でもあったのだ。

そんな藤井も、気が抜けたからか、この日遂にダウンしてしまった・・・
これは本当に珍しいことで、長い関わりの中、ダウンしてしまった藤井をはじめて見たものだ。

それほどまでに大変な開業だったというこである。

 

 

愛知から辻井も駆けつけてくれたのだが、残念ながら藤井不在での写真撮影会と記念撮影でした。

 

そしてラストは恒例の打上食事会。お子様を抱く木住野さんを見てホッとさせられました。

29歳という若いお父さんオーナー木住野雅之さん、これから経営していくことも、開業以上に大変な事が在るかもしれませんが、大丈夫です!

この開業でもそうだったように必ず諦めずに進めば良い結果にたどり着けますからね。
先は長いですよ!

何年たってもbhは相談を投げかけられる場所ですから、いつでも頼りにしてください。

まずは渾身の開業、おめでとうございます!

bh 飯島由敬


OaK・作品写真はこちら