mellow 【美容室】 千葉県・南流山
オーナー大竹信也さん
- 店舗住所
- 千葉県流山市南流山3-10-20
- オープン
- 2014年2月22日
- 店舗面積
- 店内12.5坪
開業から1年3ヶ月後経過した、流山市南流山の美容室mellowのオーナー大竹信也さんにインタビューさせていただきました。
1.開業の動機
僕は、以前ずっと都心で仕事をしていましたが、30代になってからは、なんとなく自分が40代になった時も変わらず都心に通って仕事をしているというイメージがしっくりこなかったんです。もともと田舎者だからかもしれませんけど…。 それでいずれは都心を離れたい。離れるなら地方に自分で開業したいという希望が元々ありました。
bhの飯島さんの言う動機の定義というか、そのあたりを聞いた時、それだけでは不十分であり、もっと重要な本音の部分が必要であるということをアドバイスしてもらいましたが、確かに自分の中に本質の部分「もっと利益を上げていきたい」という要素はしっかり自分の中にありました。でもそれを堂々と外に発言するというところは少し足りなかった部分だったかもしれません。
2.bhを選んだのはなぜ?
自分で独立して美容室を開業したいと思ってはいても、一体何をして良いのかさっぱり分からない状況の中、まずは「はじめてのヘアサロンオープンBOOK」という書籍と出会い、その全面監修者であるbhの飯島さんの存在を知りました。
そこでまず、「2年後の開業の為のセミナー」を受けました。もともと僕はけっこう慎重派な方だと思うのですが、このセミナーで飯島さんの話を聞き、とても理解できる部分が多かったのです。受講後は、飯島さんに対し本当に沢山の質問をしました。今まで抱えていた疑問をすべてぶつけるようにやたらと質問した記憶があります。そんな感じで質問攻めしていくうちに、自分には“無理かもしれない”と思っていた事が不思議と“やれるかも”という思いに変わっていきました。僕の大量の質問に対し、すべて腑に落ちると言いますか、納得できる説明を丁寧にしてくれました。たしか時間も大幅にオーバーして対応してくれた記憶があります。ただ、セミナー受講後に非常に前向きな気持ちになれたのと同時に、開業には危険性もたくさんある事も知りました。
最終的になぜbhさんを選んだか?という理由ですが、慎重派である自分が飯島さんと直接話して思うことですが、飯島さんは決して僕をおだてたりするわけでもなく、至って真摯に、ニュートラルに対応してくれたことにより、それがとても信用できたこと。また様々な前例を見て多くの成功実績をもっていたこと。そして業界の裏側というか、ダークなノウハウも満載で、これは1人で開業するよりもパートナーとして付いてもらったら確実に良いサロンになるはずだ!という確信が持てたからです。
3.開業準備中に大変だった事
やはり前職場での仕事をこなしながら、限られた休日を使っての物件探し。同時進行で、事前に借入の為の下準備も行っていました。定期的にbhさんに行き、様々な事業計画のチェックをしたり再構築したりなど、開業計画を進める過程で、ずいぶん体力と神経を削られた気がします。
あと辛かったことといえば、mellowの工事完了数日前に都心部を襲った大雪の影響で外壁と外部デッキの工事が大幅に遅れてしまい、最終的にはオープン前日までまだ工事が終わっていなかったんです。明日のオープンに間に合うのか?開業準備が終わるか?本当にハラハラしました。なのに工事業者は天変地異なのだから仕方ない、という感じ(そう見えちゃっただけですが)で、それが非常にイライラしてしまいました。
結果的にはギリギリでしたけど間に合ったのでホッとしましたけど、オープン直前に凄く心が揺らされたことが辛かったです。この件に関しては、「天変地異はあったとしても、どうであれ工事の遅延は私の監督不行き届きです。」といって工事請負業者ではない飯島さんが僕達にまずきちんと謝ってくれました。
そして工事完了直後には飯島さんが工事業者の社長さんに対し激しく怒ってくれて、工事業者側にペナルティーとして工事金額の値引き交渉もしてくれました。まぁ、これは結果的には助かりましたけど、実際はお金の問題じゃなく、あの時期のあのタイミングの不安は本当に辛かったです。時が過ぎれば思い出なのですが、でもやっぱり辛かったですね。
4.開業して良かったと思うこと
やっぱり、開業したことにより、今までに味わったことがないほどのやり甲斐を感じれる事が増えたと思います。僕にとって苦手な仕事だった掃除や雑用も楽しくなりました。自分の大好きなお店を得ると、そうなりますよね。
よく美容師さんたちが「自分が本当に欲しかったお店と、実物はちょっと違っちゃったんだよね?なんでこんなことに・・・」という愚痴を聞くことがありますが、おそらくbhさんで開業したオーナーの方々はそいういう方は一人もいないと思います。本当に思い通りのお店を作ってくれます。自分の大好きな世界観を引出してくれます。
過去の開業オーナーさんたちもそうだと思いますが、僕はとにかく大好きな、お気に入りの場を得られたのですから、その場所での仕事は本当に何をしていても楽しいです。好きな場所にいられることにより仕事が以前より好きになりました。
5.開業して大変だなと思うこと
美容の一般施術の仕事以外にも経営面でたくさんやる事があります。もちろんそれが大変だと思う要素ではありますが、開業後はたしてどんな仕事が必要になるのか等、飯島さんのセミナーで事前に学習していましたし、bhのプロデュースの場合、経理面のサポートや運営の初期の頃のあらゆる相談ができるので、僕たちは想像していたよりは混乱せずにいれていると思います。
よく開業後に、はじめての事ばかりに直面してパニックし参ってしまっている美容師さんを見かけますよね。飯島さんがよく言うように何事も事前の“知識”があればそんなにパニックしないものです。想定内っていうやつです。事前に知れたノウハウでどれだけ助けられたかわかりません。やっぱり最初の段階でセミナー受講しておいて本当に良かったと思うのです。ということで今の所は楽しくやれていますよ(笑)
6.開業する前とした後の気持ちの変化
開業をしたということは経営者になったということです。自分に全責任がかかるので緊張感はありますが、僕にとっては非常に良いプレッシャーです。 経営者としての振る舞い、美容師としての振る舞いの違いなど、今まで考えなかった事をいろいろ考える様になりました。 でも、bhさんが唱える最大の“開業動機”の部分ですが、“採算面と同時に自分の為の自由な時間の獲得”を目指した計画を立てて、そしての計画をきちんと軌道に乗せる。
こういう作戦が開業計画というものです。僕たちの場合はもちろんまだ初期段階ではありますが、幸い開業してから1年経過し、すでに時間は都合良く使える状況を得られています。したがって気持ちにはゆとりがあります。本当にこういう状況を手に入れる為に開業したわけですからね。
7.あなたにとってbhの存在は?
美容室開業というのは本当にやるべき事が沢山あります。やるべき仕事量だけではなく、心が舞い上がったり落ち込んだり、非常に精神状態も不安定な状況に見舞われます。特にパニックしがちなオープン前とオープン直後の時期も、ただの通過点でしか無く、仮に何年経っても “大変さ”というのは、ずっと続いていくプロセスなんだと思います。でも、とりわけ開業前後というのは自分が想像していたより莫大なエネルギーが必要だったと思います。実際にそんな貴重な経験をして改めて思うことがあります。
僕達にとってはbhさんの存在があってこそ、目の前のすべてのやるべき事に対する集中力を保てたのだと思います。 もし何かあれば・・・何かあったら・・・何でも、どんなことでも相談にのってもらえる、bhさんは精神安定剤的な存在ですかね(笑)
8.これから開業したい人へのアドバイス
僕も開業して1年、まだまだ駆け出しの経営者ですから、アドバイス出来る立場じゃないですけどね(笑)
僕も慎重派ゆえ、開業前は自分なりに勉強していた気がしますし、開業への知識もある程度持っているつもりでいました。しかし、飯島さんの事業計画診断をきっかけに、まず、“自分が本当は何がしたいか?”もよく分かっていなかったことに気づかされました。今、その頃の事を振り返ると“ヤバかったなぁ、本当に無知だったなぁ”と思います。思えばわずか2年ほど前の話なんですけどね。今思うと “無知な状況にまるで気づけていなかった自分”が本当に怖いです。ゾッとしますね(笑)
このようにセミナー、レクチャー、事業計画診断を通して沢山の話を聞いて、美容室の経営オーナーとして成功するには自分では想像できていない大切な事が山ほどあるんだなと思いました。
人それぞれやり甲斐を感じる部分は違うと思いますが、僕は開業した事により、今までと比べてとても楽しくやり甲斐を感じることができています。それは開業前から飯島さんと構築した戦略通りといいますか、予定をたてた通りといいますか、すべては“正しく計画を立てる”ことができたからこそだと思います。
あくまでも、僕の基準ということで言いますが、僕一人で開業していたらお店は作れたと思いますし、運営もきちんと始められたと思います。もちろん自分の性格から考えても必死に諦めずに進むと思います。でも・・・開業1年経過した今、このように少なからず自由を得られていたかどうかは疑問です。飯島さんが言う「開業時に運営の10年が決まる」という言葉は、今僕は凄く理解できているつもりです。
9.コンセプトの重要性
サロンとしてのコンセプト、すなわち自分たちの存在意義、「何のために僕たちは美容室をしているのか?」「誰のために僕たちはいるのか?」
開業というのは本当に選択と決断の連続ですよね。おそらく100以上の選択をしていかなければならないと思います。しかし、こういったコンセプトがしっかり確立されている事により、それら色々な決断の場面で、すべての要素で判断がつきやすくなります。
飯島さんはこのコンセプトのことを“開業計画の大黒柱”と言っていますよね。この大黒柱をしっかり立てたことにより、計り知れない迷いの時間や無駄な悩みを排除できた気がします。結果的には時間のロスを無くす作業だったとも言えると思います。
例えばmellowでいえばコンセプトから展開し、西海岸風の海沿いのリゾートハウスのような店舗イメージを狙ったわけですが、実際に設計に入ると、本当に目移りがしやすいものです。これは誰でもそうなると思います。要するに浮気しやすくなる(笑)
ある街で見かけたアンティークの濃い色の木材に一瞬憧れてしまったり・・・ガラスや金属にも気を取られることもあるでしょう。
でもチーム全員の共通認識として事前に“西海岸リゾート”という着地地点が明確だと、やってはいけない事、選ぶべきではない素材などが明確であり、素人である自分たちでも自然と大切な事、何をしていけば良いかの判断ができるようになります。コンセプトは自分たちも非常に大切だったなぁと思います。映画や舞台なら脚本、異国での地図、船上での海図のようなものと飯島さんはよく言ってますね。
10.寒い打ち合わせについて
※通称:寒い打合せ(減額調整):開業者が実際に工事予算として割り当てている額面に収まるように要素をなくしたり、素材ランクを下げたり、異なるものに置き換えたりして予算内に収める作業のこと
僕は「2年後の開業の為のセミナー」の後、「ヘアサロン開業レクチャー」~「事業計画診断」とコマを進めたのですが、レクチャーの段階でこの減額調整が寒い打合せと言われ、開業オーナーさんたちを辛い思いにさせる関門なんだと聞かされておりました。
僕はこの話を聞いて、事前に覚悟といいますか、しっかり想定していられたことにより、お陰で不思議と減額調整時には予算配分の現実性を自身で受け入れていました。なので事前に予算が足りなければ、あそこを削ろうという妥協の優先順位を持った上でのぞみました。
もちろん、やりたかった事を削る悲しさもありましたが、思いのほか割り切れていた気がします。 実際にサロンが完成してみると無駄な肉を削ぎ落としてシェイプアップされた感覚で今の状態がベストだったかなと、すごく気に入っています。 むしろ振り返ると、当時の自分は念願の独立開業ということもあり気合いが入り過ぎて欲張りになっていたとも思えるので、bhさんには冷静になる良い機会を頂けたなぁと感謝しています。
11.その他、どんなことでも・・・
プロデュースの最初の段階のコンセプトを構築していく段階から飯島さんはじめ、店舗デザイナーの藤井さん、グラフィックデザイナーの辻井さんと一緒に散々悩んで考えて頂けたので、開業から1年経った今でもbhチームがmellowの1番の理解者かなと思ってます。
具体的な店作りの段階での話ですが、そこには確かに藤井さんや辻井さんのデザインエッセンスはずい所に含まれてくるのですが、ある意味、決してこのお二人のアイディアではなく、もっと核の部分で言うとすべて僕達がオーダーしたものを完璧に形にしてくれていました。
よく店舗設計のプロセスでデザイナーさんや設計士さんを何人もコンペ形式で競わせる方法があると聞いたことがありますが、正直bhさんのやり方の場合は、これはまるで無意味だと思います。なぜなら作品にデザイナーさんの主義主張が入っていないからです。あくまでも主義主張は僕達だっという実感があります。
これに関しては、事業計画診断の時の飯島さんの説明がわかりやすかったですよ。
たとえば飲食店の注文で僕達が頼んだのはカレーだったとします。
するとbhチームがしつこいぐらい様々な質問をしてきた。
チキン?ポーク?ビーフ?マトン?え?全部?量の比率は?
スタイルは蕎麦屋風のカレー?ホテル風のカレー?スタンドカレー風?本格インド風?
辛さは?1辛?2辛?・・・10辛?
こんな風に、僕らの希望をしつこい程に探ってくる。
要するにオーダーを詳しく聞き取る・・・bhチームはここにやたらと時間をかけてます。
すべての聞き取り済んだら料理にとりかかるのです。
聞き取りが不十分なまま料理にはとりかかりません。
bhの2人のデザイナーさんを例えると、ずばり“名料理人”だったのだと思います。
とにかく “どんな料理でも作れるマルチな料理人”です!
依頼者である僕達のイメージを隅々までくみ取って、全てをイメージに限りなく近く形にしていく様は本当にプロフェッショナルだと感じました。
こういった連携と、チームワークやスキルの高さ・・・
自分の美容師としての仕事にも見習いたいです。
インタビュー日時:2015年5月7日 (インタビュアー:bhのHP制作請負会社、担当者)