10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い ヘアサロン開業アカデミー

昨年３月４日開業・狭山市の美容室warawaの開業後1年間のコンサルティングも残すところあと２回、今回が11回目となりました。

いつものように、毎月の売上額、総動員数、店販品の売上、平均客単価など、一通り聞き取りして表に展開していく作業からスタート。

ちなみに、グランドオープンの前に、昨年の2/20にはオーナー福山裕太郎さんの常連客のみを対象にしたプレオープンをしているので、現時点でトータル１１ヶ月分のデータが出揃っている状況です。

毎月こうした実数字を聞き取るだけではなく、動員（新規客、リピート客）の割合、また新規客の場合、何をきっかけにして来店に繋がったのかを客に直接、確実に聞くようにと、指導してきたこともあり、広報はどこが最も効果的なのかという傾向を探ることもできていたのです。

特筆すべきはwarawaの場合、ある程度、今までの常連客が多いこともあるが、新規客が結構多いのです。
さて、その新規客の行動パターンは一体どのようなきっかけからか？ここが非常に重要なんです。

多くの場合、店舗側が新規客にいちいち質問するものではないと思うでしょうけれど、そこは重要ポイントであると捉え、やはり、差し支えないほどに確実に聞き取ることが大切なんです。

聞けば、ホームページを見ました・・・

これで終わってしまうと、正確な効果測定ができていない場合があります。

なぜなら、お客はホームページ、ブログ、SNSなどを総称して、一括りで『ホームページ』と言っている場合が多いのです。

確かに、ホームページ上には２４時間ネット予約があるため、来店予約の最終段階では、ほとんどの客がホームページを経由しているのです。だからこそ、さらに追跡すべきは、その前の客のキッカケなのです。

となると、これは完全に人それぞれのパターンが見えてきます。

・知人に聞いた→ホームページ（※またはブログ）
・ポスティングのチラシを見た→ホームページ（※）
・グーグルで検索→ホームページ（※）
・フェイスブック→ホームページ（※）
・インスタグラム→ホームページ（※）
・店の前を通った→グーグル検索→ホームページ（※）
・店の前を通った→飛び込み
・向かい側のパン屋さんに来た→店が気になった→ホームページ（※）

etc…

このように、しっかり追求すれば、客にとって、どこからが入口だったのかが明確に見えてくるはずなのです。

２月のプレオープン時から、飯島は福山さんに、新規客とはじめて会った時、必ずこれを尋ねるようにしましょうとアドバイスしていましたが、福山さんは１１ヶ月の間、これを確実に実践していました。

そして、毎月、飯島とのセッション時、その報告をしてもらってきたのです。

すなわち現時点において、毎月着実に増え続けているwarawaの新規客全員の足跡を福山さんは把握しているということなのです。

さて、ちょっとだけ、その実態をお知らせしますが

思いのほか、

・通りがかり→ホームページ（※）
というパターンがとても目立つのです。

そして、もう一つ、こういうはっきりした傾向もあります。

通りがかり→飛び込み・・・実はこれ、ほぼほぼゼロに近い（確か１〜２人はあったと聞いたかも）

そういえば、前回１０回目のセッション時の話題でも触れましたが、一部の客や福山さんの知人が「美容室」を知らせる看板や、大通り沿いの大型看板を検討すべきでは？という意見があるという件に言及しましたが、この実データは、その必要性はないということを意味していること、わかりますか？

いちいち「美容室」の表記を打ち出さなくても、遠くから見て

「なんだろうあのお店、なんだか素敵じゃない・・・ああ、美容室だぁ！」

そして、その後、すぐに飛び込む、なんてことはありえないのです。

次のアクションこそ、スマホでホームページを覗くという行動が定番なのです。

そこで、実際の雰囲気や、価格、強み、商材などをしっかり吟味して、そこから予約という実行動へ。

そう、新規客なら誰でも、まず店を認知してから予約までの、僅かな「検討段階」が必ずあるはずなのです。

そしてそのためにも、絶対に言えることとして、開業前にしっかり作り込んだホームページの存在というわけですね。

多くの開業実例では、このホームページの準備が後手後手となり、オープン時には整っていないことがほとんどです。これでは初期の新規客取り込みは大きな遅れを取ることになりますね。

また、福山さんが実際に来店してくれた客から聞いた生の声では

「とにかくお店が素敵だったので・・・」
「すごくおしゃれなお店に惹かれました・・・」

これが圧倒的に多いといいます。

今回のセッションの途中でも、福山さんからの報告にも、この話題がありましたが、さすがに約１年弱の経営の日々の中で、何度もこんな実際の声を聞かされてくると、本当に店舗のスタイルをも含めたコンセプトメイキングと、それを具現化してくれた店舗デザイン設計担当の藤井真哉氏、工事を担当してくれた業者に感謝の気持ちがじわじわと湧き上がるのだそうです。

なにより、アンチエージングに力を注ぎ、中高年の女性をコアターゲットに定めた社会的役割を持つコンセプトと、セカセカした詰め込み過ぎの予約体制を嫌い、来店客がゆっくりとできることを最重要と捉えたリズム感を絶対に守るスタイル。

こうした、特定の人物像を定めたコンセプトメイキングから派生した現在の店舗のスタイル。

warawaが多くのお客様から支持してもらえるのは、間違いなく「コンセプトがあったから」この実感がそれこそ、月日が経つごとに大きくなっていくようだと話してくれました。

ちなみに、１２月のセッション時に飯島と掲げた１月の売上目標ですが、結果は余裕で目標額達成でした。
毎回言うように、いつも福山さん自身が想像する額より10%ぐらい多めの目標設定にするのですが、実際には、それが達成できなくても、最初の福山さん想像の額はクリアするんです。

そんな月間結果が多いものでしたが、今回に関してはその10%増の目標をクリアした福山さんでした。

ふと振り返れば、たった１年前の時の金銭感覚は、メチャクチャ目線が低かったと福山さん自身が感じているとのこと。

そして、その時の価値観には絶対にもう戻れないと語気を強めて話してくれます。

そう、今まで旧職場でもらっていたお給料が、現在ほぼ３倍に達しているのですから、本人は、１年前を考えると確かに信じられないでしょうね。でも、同時にそれを実際に手にしている実体験が今あるのです。

もはや、経営リズムはひとまず安定段階に入ったと思います。
今、最も幸せな日々が送れている・・・と話してくれますが、もちろん味わってください。しかし、慢心は禁物ですね。

まだ福山さん自身、さらに上を目指した事業拡張の草案も飯島と実は既に話し合っています。
その実現は、先の話ではありますが、そこに向けてどう攻略していくか、これが次の課題です。

さて、フルプロデュース後、継続して開業後１年間限定の短期コンサルティングまでもご依頼頂いた福山裕太郎さんとの毎月定例のセッションも、次回が最終回。ちょうど開業１周年を迎える3/4を予定しています。