10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い ヘアサロン開業アカデミー

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GroomS開業までの軌跡 開業までの足あと

GroomS開業までの軌跡

開業までの足あと

東京都足立区南花畑2-2-5

オープン
2014年8月6日
店舗面積
店内18坪
受講コース
フル・プロデュース

オーナー滑川 卓さん29歳※開業当時
 

 

2010年3月8日(月)
六町ヘアサロンGroomSのオーナー滑川卓さんとの出会いはこの日でした。この年の1/12に浦安次世代理容室モルティコルトを開業したばかりの秋山一則さん主催によりお店での出張セミナーに呼ばれた秋山さんの後輩でした。

この時25歳だった滑川さんは、この日のセミナーで人生が変わったと今でも語ってくれています。

 

 

2014年3月31日(月)
そしてそれから実に丸4年間、滑川さんはあの時のアドバイス通りに行動し、着実に準備を整えながらbhに連絡をしてきてくれました。実に4年前のモルティコルトでの「ヘアサロン開業セミナー」を受講した直後からbhで絶対にプロデュースしてもらう!を決めてくれていたそうです。

実際には2014年1月の段階から何度も事業計画診断に通った後、ようやく戦略に合致する物件に辿り着いたわけです。つくばエクルプレスの「六町駅」より徒歩7~8分?

住所は南花畑という地名の交差点付近の好立地である。

本来物件内見の際は、あらゆる設備状況を確認の上でGOサインなのだが、滑川さんはひと目見た瞬間からテンションMAX状態。我々のジャッジを待つまもなく、不動産屋さんに「この物件最高です!ここに決めます!」とフライング気味だった。

床部分が舗装されておらず、砂利と配管剥き出しの状態であったが、これをビル側が費用負担してコンクリートを打設するのか、滑川さんが負担するのか?ここは予算組えお大きく左右する可能性があるため、本当はこれらの行く末がはっきり見えたところで表明するのが懸命だったのだが・・・

実際はコンクリート打設は滑川さんの負担ということになったが、なんとか予算範囲に収められるだとうという見解でこの場所を4年ごしの開業計画の地に決めたのだ。

 

 

2014年4月14日(月)
オーナー滑川卓さんの開業計画が実質上スタートとなった。この日はもちろんコンセプトワークからスタート。そして店名も決定した滑川“すぐる”の部屋、すなわち「スグルーム」から変形をしつつ、最終的に「グルームス」となった。

いやいや、もちろんそんな安易なイワレだけではなくって、グルーミングに力を入れるという狙いも含まれている。グルーミングのサロン、グルーミングの卓などなど・・・

最初は「まじっすかぁ?」と連発していた滑川さんも、最終的にはこの店名が気に入ってしまい、この計画はかくしてGroomS計画とあいなりました。

 

 

2014年4月21日(月)設計打合せ1回目
この日は滑川さん、資金借入の為の融資機関の後に打合せに来ていたためスーツ姿である。
先週固めたコンセプトに基づき、早速店舗デザインの最初の提案がなされた。

 

 
 

2014年4月28日(月)設計&グラフィック打ち合わせ2回目
毎週月曜日のお休みを使って進んでいく予定の滑川さんGroomS計画。毎度おなじみ愛知からスカイプでbhグラフィック担当の辻井とTVモニター越しに打合せ。設計では素材の色味部分のみ見てもらいながら、まだ滑川さんの志向を探りのレベルではあるが確認を行った。

 

 

2014年5月5日(月)設計&グラフィック打ち合わせ3回目
この日滑川さんは、GroomSの販促アイテムのモデルとして使用したいグッズを持参していた。これ、すべて鉛筆削りである。これらをグラフィックの中に導入したいということだ。

愛知の辻井はその指令を受け、とりあえず作業に入り、その作業の間に藤井の店舗設計打合せの時間中に、はなしてどんな感じになるのかという検証用のグラフィックを作成。

設計打合せと販促打合せを交代交代で連携リレーしながらの打合せにした。そして叩き案としてできてきたのが左下の写真。この頃から滑川さんは「フォー!」というレイザーラモンHGのような雄叫びを上げるようになってきた。

これをラストまで何度も連発したことだろうか(笑)

 

 

2014年5月12日(月)設計&グラフィック打ち合わせ4回目
ここで毎週愛知からスカイプ参加していた辻井が上京。以外にも滑川さんとはここが初対面でした。なぜか滑川さん、いつもと様子が異なり・・・照れまくり・・・挙動不審?(笑)

 

 

2014年5月19日(月) 設計&グラフィック打ち合わせ5回目

不覚にもこの日に限って写真を撮り忘れてしまいました。

 

 

2014年5月26日(月) 設計承認&グラフィック打ち合わせ6回目
この日、滑川さんはGroomSのオープニングスタッフ候補の女性を連れてきました。実は滑川さんが以前からスタッフ候補としてと目をつけていた女性だった。事前に何度も彼女に連絡を取り、ヘッドハンティングのオファーを出し続けていたのだが、この日の段階で彼女はまだ決心がつかずにいたらしい。

そこで彼女に対し、GroomSがはたしでどのようなお店になるのか・・・どんな人の為にどんなお役立ちをめざしているのか・・・などいわゆるコンセプトの部分全般を、飯島を通して説明聞くために来たのです。

もちろん、bhは決して滑川さんの店に入りなさい、というような誘導は一切せず、いたってその女性自身の決断を促すためのお手伝いをした。あくまでも自身の判断や、考えを尊重するような様々なアドバイスを行っただけである。

結局、この日のbh訪問と滑川さんが描いているビジョンを十分に理解できたことががきっかけとなり、女性はオープニングスタッフとなることを決断したのです。

ただ、これも言うほど簡単ではない。早速彼女は現在勤務するお店に対し突然の退職宣言をするということなのだから。ここにも大きなエネルギーが必要だということです。

オーナーというのはこうした究極の決断を周りをも巻き込んで進んでいくのが開業だということを肝に銘じておくべきです。経営者になるって責任重大だってことです。

さて、この彼女が現在のGroomSで大活躍中の超人気キャラ・小板春菜さん(通称:コイータ春菜)である。

一見、ハーフに見える容姿の彼女は、この初対面の瞬間から、この店のキャラ娘になるには十分すぎるほど存在感を持っておりました。

彼女の事をご存知の方も多いと思うが、滑川さん、コンセプトに見合った従業員を呼びこむという意味で、本当にベストチョイス!目に狂いはありませんでしたね。

 

 

2014年5月30日(金) いよいよ競争見積(入札)です。設計担当藤井のリードで、複数の工事業者を集めて見積説明です。

 

 

2014年6月2日(月) グラフィック打ち合わせ7回目
すでに店舗設計に関しては入札で複数の工事業者が積算中。したがって藤井は不在で販促物のデザイン打合せのみ行われた。この回の打合せでは主に施術メニューの詳細な打合せだった。オーナーさんというのは誰でも、自分では「ほぼ確定している」と思っているものだが、ほとんどの方がこの段階で手こずります。「やっぱり単価あげようかなぁ~、いや下げたほうが良いかなぁ~」本来ココでぶれているのは問題です。何故ならば最初の段階で採算性をチェックの上で収支計画を確立し、それに見合うと思われる物件を特定しているわけですからね。まぁ、滑川さんにいたっては、この段階での迷いは一切見られませんでした。堂々としたもんです。

 

 

2014年6月9日(火) グラフィック打ち合わせ8回目
先週に引き続き、この日も販促物のグラフィックデザインの打合せのみ行われた。店舗設計よりも販促グラフィックデザインの打合せのほうが回数が多いのがbhのやり方です。グラフィックというけど、単純に印刷物ではない、お店の良さ、特徴、目指すものを小さなスペースでいかに伝えていくかを盛り込む重要なアイテムである。おざなりに進めるのはいかがなものかと思う。魂入れて毎回行ってます。

 

 

2014年6月16日(火) 減額調整(通称:寒い打合せ)
bhの店舗デザイン設計のやり方は非常に特徴的といわれている。無駄になるかもしれないが、店舗デザイン設計の段階で予算を度外視して、盛り込むだけ盛り込む。いわゆる要望120%を一旦図面にするということ。

この最上級設計を元に複数の工事業者が競争見積りに入る。最終的に最も安かった工事業者の見積もりであっても、実際にオーナさんが予算組している額面を大きく上回っていることがほとんどだ。

この日オーナーさんが実際に使える予算が発表され、その額面範囲内で可能な工事内容にシェイプアップしていくのだ。ちなみに、この日まで藤井ですら実行予算を知らされていないことも特徴。

店舗デザイン担当の藤井があらかじめ予算を把握していると創作に制限がかかってしまうことを避けるためにこの手法を長年使ってきた。

オーナーにとってはデザイン要素が増えることは一切なく、減る一途・・・だから辛いのだ。

だから寒い打合せの日といつしか言われるようになった。

オーナーは減るばかりの要素に究極の不安が襲ってくるかもしれないが、その減額テクニックも結局は飯島と藤井が、いかにイメージを落とさずにできるかを考えぬく日である。オーナーの不安とは裏腹に、過去のbhの作品を見ていただければわかるはずだ。全てのお店はこのプロセスを経て、限界までシェイプアップされたものばかりなのだ。

写真からも滑川さんの混乱が少し伝わることでしょう。

 

 

2014年6月23日(月)工事契約&グラフィック打合せ9回目(最終)
先週の減額調整で様々な妥協をしつつも心を決めた滑川さんの工事契約が正式に交わされた。毎回工事契約の取り交わし時にはbhが立ち会い、オーナーさんにはなかなか理解できない部分を飯島が細かく通訳したり解説したりしている。支払い条件、支払のタイミング、トラブル時の措置など・・・工事契約もきちんとした知識がないと後々にトラブルになる種が沢山潜んでいるということです。

工事契約完了後は、販促物グラフィックの最終打ち合わせ。いわゆる印刷会社にデータを入稿する直前の最終確認作業といったところ。

すると、ここで突然のゲスト来社!

たまたま近くに来たということで2009年5月開業の巣鴨理容サロンbalancaの渡部洋さんだ。

渡部さんといえば、毎年bhの開業オーナー合同忘年会「bh unity」を企画してくれている人物だ。

滑川さんとも過去の理容講習会などで何度も会っている先輩後輩の間柄。

滑川さん突然の来訪者にテンション上昇!ノリノリでした。

 

 

2014年7月7日(月)工事現場視察・いよいよ工事が始まりました。藤井デザイナー引率で滑川さんも現場を見に来ました。ちなみに、この物件を借りる段階で現場の床部分を砂利むき出しの状態で借りてコンクリートを流し込んで平らにする工事は滑川さんの費用持ちという契約条件だったのだが、この着工までの間に不動産屋さんを通して何度も大家さん側に交渉を重ねた結果、この工事はビル側持ちということにしてもらうことが出来た。

もちろんこういった要素に関しては、bhから滑川さんへのアドバイスと指導があったわけで、滑川さんはまっすぐにbhのアドアイス通りに大家側に誠心誠意、想いを伝えながら最終的にはビル側に譲歩してもらった経緯があった。

こうした着工事前の交渉をしたかしないかによって、この工事費推定50万円強の費用節約が実現しているのだ。何事もやってみるものである。こうした交渉のあるなしで、多い時には100万年単位の費用が流出することも開業ではよくある話なのだから。

 

 

2014年7月12日(土) 再び現場視察。5日前よりずいぶん工事が進んでおります。

 

 

2014年7月19日(土) さらにその1週間後です。GroomSの全貌が見え始めております。

 

 

2014年7月25日(月) 遂に完成!工事引渡し日でした。ある時から滑川さんのトレードマークの「フゥ~ウ?」という雄叫び連発の引渡しでした(笑)

bhチームとしては、この計画中に出会ったオープニングスタッフのコイータさんも、この段階ですっかりお馴染みの存在でした。

引渡し終了後は、目の前にある焼肉屋さんで祝杯です。

ところがグルームスチームのお二人、全然飲めないんだって。
一方、bhチーム飯島と藤井はかなりの酒豪です。滑川さん、コイータちゃん、飲めない分、たらふく!

 

 

2014年8月4日(月) 写真撮影会&打上パーティー
南花畑理容系サロン「GroomS」8/8(金)のOPENを4日後に控え、すべての準備が整った状態で、bhプロデュース恒例となっているプロカメラマン秋山雄一氏による写真撮影と打上パーティーが行われた。

この打上パーティーに2013年7月3日開業の亀有美容室markkaのオーナー網代英哲さんと、同じつくばエクスプレス沿線で一足先、2014年2月22日に南流山美容室mellowを開業した大竹信也さんご夫婦が、仕事を終えた後、お祝いに駆けつけてくれました。

他にも年末の「bh unity」で出会った先輩オーナーさんたちにも沢山来て欲しいところでしたが、とりあえずご近所様ということで、この2組のオーナーさんたちにはbhの方から声をかけさせてもらいました。

こうした同じプロセスを歩んだオーナーさん同士の結束の強さにはbhは毎回驚かされております。

というわけで、オーナー滑川さんと2010年に出会って以来、実に足掛け4年半越しの開業計画、無事にコンプリートです!

若き29歳の開業オーナー滑川卓さん、大変ご苦労様でした。そしておめでとうございます!

bh飯島由敬

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開業から9ヶ月時・点滑川卓さんへのインタビューはこちら