mellow開業までの軌跡
千葉県・南流山
オーナー大竹信也さん
- 店舗住所
- 千葉県流山市南流山3-10-20
- サイトURL
- https://www.mellow-hair.net/
- 受講コース
- フル・プロデュース
2013年10月8日(火)物件適正チェックに行きました。
2013年2月19日に「2年後の開業のためのセミナー」受講に来てくれたオーナー大竹信也さん、2年後開業ではなく、ちょうど1年後に開業することとなりました。物件は南流山の駅から徒歩数分の好立地の新築一般住宅の1階部分。
店舗前面部分にある駐車場スペースが2台分。この若干奥まった感じが実は色々なことができる要素となるのです。
物件内には木造住宅の耐震用の筋かいがこのようにあらわになっておりました。また、トイレ他水周りが階段2段分の高さに設置されておりました。これは店内を横断する基礎部分が影響しており、設計をする上で非常に難解な構造だったのです。まぁ、これはやり方(設計)次第で面白く活かす方法もあるということを大竹さんに理解していただいた上で、ここでやってみよう!という決断に達しました。
2013年10月29(火)早速bhではいつものようにコンセプト構築から開業計画が本格的にスタートです。
まだ素材選定はずっと先なのですが、大竹さんはデザイナー藤井に自分の好きなイメージを伝えるため実物素材で希望をだしていました。
また、設計に関しても大枠ではあるが、自分なりに図面を書いて、想いを伝えようと努力していました。
販促物グラフィック担当辻井ももちろん愛知からスカイプで打合せ参加。販促していくうえでコンセプトワークのこの段階は辻井には絶対にはずせないプロセスなのです。
ちょうどこの時期、bhでは同時進行で開業計画が進んでいた代々木八幡美容室ラキューテのオーナー安井隆浩さんと入れ替わり。同日の打ち合わせでした。
2013年11月11日(火)設計&販促グラフィック打合せ1回目
大竹さんの要望を十分に聞き取った藤井はこの回から詳細なレイアウト図を用意して打合せです。当然のことなのだが、大竹さんは自分が描いていたレイアウト構成が、実寸法に置き換えられると、いかにギャップがあるということに驚いておりました。
先週の打合せで得た戦略、イメージ、想いをまとめたコンセプトシートですが、途中でブレたり迷ったりしながら毎回修正が加えられて行くこともあるのです。
bhの打合せは店舗デザイン設計の打合せと共に常に販促グラフィックが同時進行で進みます。多くの開業計画で、この段階のオーナーというのは、どうしても店舗デザイン設計の方ばかりに偏りがちです。でも、店舗デザイン設計以前に、「何をするために用意する施設なのか」ありきです。販促に基づく戦略が先であり、店舗というのは戦略(すなわちコンセプト)を遂行するための舞台にすぎないということ
2013年11月12日(火)設計&販促グラフィック打合せ2回目
この回の打合せは愛知から辻井が出張して参加です。辻井はこうして3~4回にの打合せのうち1回は必ず東京に来て、スカイプでは確認しあえない要素の打合せを補って行くのです
店舗デザインも3Dが用意されて実際に店内を歩き回るような疑似体験をしながら実感イメージができるような打合せ方法を取り入れているのです。
だからこそ、bhでは店舗完成時に「う~ん、なんだかイメージと違うんだよなぁ・・・」と言ったオーナーさんが過去に1組も居ないわけです。綿密なコンセプトとイメージしながら立ち上げる設計打合せはかなり喜ばれております。
2013年11月19日(火)設計&販促グラフィック打合せ3回目
再び辻井は愛知よりスカイプにて打合せ参加。
TV画面とオーナーさんたちが対話する不思議な雰囲気の打合せです。
いよいよ実際の素材検討に入っていますが、時折カメラを素材に向けて、愛知の辻井も確認できるように打合せは進行して行きます。カメラをいちいち動かす藤井は結構大変。
2013年11月26日(火)設計&販促グラフィック打合せ4回目
mellowの店舗イメージのベースとなるのは西海岸。海の雰囲気が感じられる要素を随所に盛り込んでいます。海沿いのサーフショップのようなテイストといえばイメージしやすいかな。
となれば、販促物にもその要素は反映され、常に店舗とグラフィックデザインはセットで構成されるのです。販促物にもオーナーさんたちの細かいこだわりを聞き、懇切丁寧にお付き合いして盛り込みます。
2013年12月3日(火)設計&販促グラフィック打合せ5回目
打合せも佳境です。西海岸沿いの店舗のごとくイメージを彷彿させるアイテムとして店頭にはテントを採用することになりました。
素材選定は、ただ単に好みを選べばよいわけではない。やっぱり組み合わせによるバランス感覚が大切。
こうして俯瞰的にチェックしながら、色のコントラスト、感じる印象など、とにかくすべてのオーナーさんが楽しく悩んできました。
これと、これを入れ替えたらどうなる?こっちのほうが良いかな?これ好きなんだけど組み合わせると良くない気がする・・・まぁ毎回こんな感じで、沢山の時間をかけてお付き合いしてます。
2013年12月11日(水)設計&販促グラフィック打合せ6回目
この日は大竹さん1名のみの打合せでした。主に実務部分にかかわる作業用の家具などの打合せがメインでした。
レセプションカウンター、クローク、あらゆる道具やマシーンを収納する家具など、せっかくオーダーで作るのだから、棚1枚、引き出し1個までこだわってみましょう。
2013年12月17日 設計承認&販促グラフィック打合せ7回目
この日は藤井に連れられて健在のショールームに行きました。毎回bhにて小さめの素材サンプルでイメージしきれない場合、こうして建材メーカーのショールームにてさらに大きなサイズの実物を確かめて素材選定を行います。
時間が無いから、まぁこれでいいか・・・というやつが、「実際とイメージが違った」という結果になるのですから、ここは絶対に骨惜しみせずに吟味すべきです。
でも、これだけ多くの建材見ると、逆に目移りしたり、心変わりする人も少なくない。まぁ大竹さんはそんなことなかったけれどね。この日、大竹さんたちがショールームに行っている間に、bhでは先行で代々木八幡ラキューテの安井さんご夫婦と打合せが行われていました。この2組の計画の打合せの入れ替わりのところで、1時間ほど、2組同時でクレジットカード決済の導入の為の業者引き合わせ一緒に発注をしました。大竹さん夫婦と安井さん夫婦はほぼ同時期の開業となる予定で、お互いにこうしてbhで何度か入れ替わり時に挨拶を交し合っております。
安井さんの打合せ後、引き続きbhでは大竹さんの打合せ敢行。
ショールームのガイドから付きっ切りの藤井、再び愛知から出張の辻井、二人とも異なる計画に頭を切り替えて毎回対応してくれています。
2013年12月26日(木・競争見積(入札)です。世は来年4月の消費税UPをひかえ、工事業者が大パニック状態という時期でした。この時期、どこの工事業者さんもパニック状態で超大忙し。そんな中、今回は2社による競争となりました。それでもこの2社とも、「あまりにも忙しくて今回は申し訳ありません、今回は辞退させてください」というところを、無理に参加してもらいました。
2014年1月17日(金)年が明けて、さっそく減額調整となりました。参加した工事業者は年をまたいでの積算作業となり、ややパニック気味だったようです。両業者とも年が明け、しばらくの時間が必要との要求があり、見積の提出は1月10日を過ぎてしまいました。そこから藤井は2社の見積を回収、超詳細な査定の上、落札業者を導き出しました。
前述した消費税UPの駆け込み需要にパニックの工事業者は2社とも共通で、通年より割高な単価、手間代が目立ちました。このように工事業者の都合というより、末端の大工他、各箇所の職人の手間が需要過多で思いっきり高騰しており、これには、ラキューテの安井さん同様、大竹さんも大いに悩まされました。とはいえ、こればかりは仕方がないこと。今の時価に応じてでも、大竹さんの許せる予算内で可能なことを選択するしか道はなし。そんな状況であっても果敢に妥協点をみつけ、かなりシビアに予算調整をする大竹さんが立派でした。
2014年1月20日(月)減額調整の3日後、正式な工事契約のためだけにbhにきてもらいました。といっても、それだけで、さようならは忍びない。毎回こういう際に、経営者になってからの心構えや、過去のオーナーさんの多くがぶち当たった悩みの数々など、数時間にわたって飯島からのレクチャーをお届けしました。この時期のオーナーさんはどんなに優秀な方であっても、不安と期待が入り混じり、非常にナーバスで複雑な時期なのです。
2014年1月30日(木)いいよ工事が始まりました。現場視察は必ず藤井が一緒に立ち会います。大竹さんと工事業者の直接のコミュニケーションは、あらゆるトラブルの元となります。ましてや、この時の時勢は工事業者が駆け込み需要のパニック下にあるわけなので、なおさらです。店舗デザイナーの役目はオーナーさんの精神的なボディーガードでもあるのです。多くの場合、イライラする職人が大勢集まる現場に居合わせるだけでエネルギーを奪われます。オーナー自身がナーバスな時期のはずなので、無駄な混乱は禁物。現場を見に行くということは、そんなに楽しいものではないということを知っておきましょう。
天井部分を解体しました。すると2階の住人の足音や生活音が、予想以上に聞こえてしまうことが発覚。当初は天井をスケルトンにして雰囲気を出す予定でいたのだが、急遽、防音材と天井を作る方向で軌道修正。当然、こういう場合は、本来追加料金が発生するという流れだ。しかし、bhと藤井の監理体制により、こうした追加予算が出ないような方法の検討、工事業者への交渉代行などを行い、追加予算を出さずに済むように処理したのです。この段階における追加支払はオーナーにとって、精神的にもリスクが大きく非常にやっかいなもの。
工事業者側にしてみれば「それって、おかしくない?追加オーダーには追加予算でしょ?」という言い分になるわけ。解決法は決して値切りではなく、別のあらゆる部分をさらに節約する方法を考えて、オーナーさんがこの追加支払をしないで済むように再調整するということです。
決して簡単なことではないのだけど、bhはあくまでもオーナーさんの代理人、お目付け役なわけで、こういったところが重要な役割なのです。
2014年2月7日(金)工事は進んでいるもの、通例よりどうしても進行が鈍いようだ。今回の入札業者以外の何社に聞いてみても、どうやら今はどこも、このような状況に見舞われているそうです。一時的にとはいえ、職人不足が工事業者を悩ませている。しかし、そんなの関係のない話、デザイナー藤井は厳しく工事担当者にカツを入れる場面もしばしば見れたとの事。
その後、案の定というか、工事工程は非常に不安定をきたし、予定していた引渡しは大きく遅れてしまいました。当初14日に予定してた引渡しに工事完了が間に合わず、異例だが飯島不在のまま17日の引渡しとなりました。したがって、引渡し時の写真がありません。
2014年2月21日(金)これも当初から予定していた写真撮影&打上げの日でした。オープン前日ではあるが、写真撮影をして飲み過ぎない程度に打上げしてがんばりましょう!ということだった。しかし、オーナー大竹さんには大変申し訳ないことに、この日に至ってもまだ残工事が残っており、このように職人が出入りしていた。
これに関しては、大竹さんの目の前で、めずらしく飯島は工事業者に大ファイヤーしました。
(後で大竹さんに聞いたら、飯島、相当怖かったらしいです・・・)
本来この日はすべてのお店のセッティングは終わっており、準備万端整った上での撮影&打上げのはずなのだが・・・
消費税UPの駆け込み需要にパニックする工事業者事情、そして、引渡し前後に何度も続いた大雪問題はあるにせよ、さすがにOPENの前日まで工事がずれ込んだことに関して、bhにて初の工事業者へのペナルティーを課しました。
工事の遅れは残念ながら取り戻せませんから、bhでは前例がなく異例の措置(詳しくは言えませんが)となりましたが、とりあえず大竹さんが納得できる最良の方法で解決に導きました。
とはいえ大竹さんに対し「それで勘弁してしてください」という罪滅ぼしにはなりません。ペナルティーはなによりも、工事業者に、開業オーナーさんが抱える不安や精神的な心の部分にさらなる追い討ちをかけた事へのを指摘しつつ大きな問題として、よ~く考え直して欲しい!という激を飛ばしました。
そんな経緯から気を取り直し、写真撮影です。色々あったとはいえ、本当にすばらしい雰囲気のお店が完成しております。
3面あるカット椅子の1箇所は半個室的なVIP席仕様。ミラーも他の2席とは異なるスタイルのものが設置されています。
シャンプールームは小上がりとなっている店奥にある。ちょっとしたロフトチックなスキップフロアーがこの店の魅力でもあります。
小上がりのシャンプーブースからみるとこのように店内全景が見渡せるのです。これがはじめて現場を見たときの“やり方次第”というやつでした。
いつものように大竹さんの記念撮影です。
辻井も打上げ参加のため、愛知から駆けつけてくれました。
明日のOPENにはなんとか準備整ってます。大竹さん、最後の最後で心揺らさせてしまってごめんなさい。
あまりお酒は飲めないという大竹さんだが、今日だけは飲みましょう!
大竹さんは開業にあたり、bhにて2013年7月に開業したばかりの亀有markkaさんが最もお手本にした計画だったそうです。そこで、大竹さんにエールを送るべく、お店の営業を終えたら合流してもらおうとmarkkaの網代英哲さんに来てもらっちゃいました!
しかも開業のお祝いのプレゼントを持ってきてくれました。大竹さんこれには大感激でした。
「今日は打上げなんかしている場合じゃないし、気分も乗らなかったけれど、やっぱりこの席があって良かった。頭も心も入れ替えることができたし、明日は楽しくOPENを迎えられそうです!」と語ってくれました。
OPEN直前で、ヒヤヒヤしてしまった 、いやヒヤヒヤさせてしまった開業計画でしたが、大竹さんご苦労様でした。そして開業おめでとうございます。