chairs・開業までの軌跡(復刻)
以下は2008年5月26日開業・新小岩ショットバーchairs 開業した当時、
当サイトで公開していた「開業までの足あとアルバム」の復刻版です。
<chairsのプロデュースを終えて>(記:2008年5月末日)
chairsの開業計画・・・私、飯島由敬といたしましても、下野哲也さんの開業はとりわけ深い想い入れがありました。2年半前、何事も無く順調に行けば、すでに開業3周年目を迎えているはずの開業者さんでした。
オーナー下野哲也さんと最初に出会ったのは、2005年3月8日でした。下野さんはある企業の社員として雇用されていて、その飲食事業を持つ企業での2号店目の店長として、ショットバー開業を任された方でした。出店のすべてを任されていた下野さんは、bhの店舗開業ノウハウレクチャーを受講。それが下野さんと私のはじめての出会いでした。その後いくつか候補物件に、飯島は下野さんと現地に出向き、設備の過不足のチェックや出店に適しているかどうかなどアドバイスしながら計画のお手伝いしました。神楽坂、浦安など、3~4件の物件を回るたびお茶を飲みながら様々なビジョンを聞かせてもらいました。
そして浦安で見つけた好物件を対象に計画を進めることになりbhの店舗開業プロデュースの契約まで頂きました。店舗工事費を含む開業費用は下野さんの属する会社が用意することになっており、話によると開業計画に合わせ借入を申請する予定とのことでした。下野さんはこの資金融資に関してノータッチ状態でしたが会社から下野さんへの指示は総額1000万円以内で出店でした。bhは開業予算の上限1000万円の計画として予算内で済むようにサポートする役目のプロデュース請負でした。
しかし、飯島が当初から気になっていたことがありました。下野さんの会社は本当に融資可能なのか?という疑問でした。資金を融資する際の必要書類となる図面や工事見積書を用意してほしいという依頼が一切無いことがとても気がかりでした。どう考えても、融資できないような気がしたのです。設計作業が進む前に、今一度社長さんにきちんと確認したほうがいいですよ!こんな話を何度も下野さんにしたものでした。しかし何度確認しても会社側からで帰ってくる返事は「大丈夫だ」という返答だったそうです。
そして下野さんは最悪の自体に見舞われたのです。・・・案の定、融資不可能、計画中止。
飯島は下野さんを一体どう慰めたらいいのやら、どうやって元気付けたらいいのやら、非常に戸惑いました
絶句しながらも「参りましたねぇ・・・」というため息に近い言葉は、気の毒でなりませんでした。
そんな紆余曲折がありましたが、こうして結果として、下野さんは自力での開業をやり遂げました。
私は、当時からこんなアドバイスをしていました。
「誰にも頼らず、自力でお金を貯めてお店を持ちましょう。どんなに期間がかかっても構いません。準備が整うまで待ってます。」
ただ、単にお金を貯めるだけではなく、折角だから勉強として、ちょうどお店の立上げをしているような会社があれば、そこに飛び込んめればノウハウも得られるし、自身の開業に役立つはずです。そんな都合よく行かないかも知れませんけど案外あるかもしれません。・・・・そんな感じで彼を勇気付ました。
そして結果的に下野さんはすべて、そのアドバイスどおりのことを成し遂げたのです。
新店舗立上げの計画中だった企業に再就職し店長として採用してもらい、運営戦略、メニュー構成、集客販促など、全ての要素を引き受けたのです。そして義理堅いことに、わざわざbhにそのお店のグラフィック(店名ロゴ)の仕事まで依頼してくれました。もちろん、そのお店のロゴデザインは今でも使われていて、bhの作品の一つです。
この大事件とも言える出来事から下野さんは2年半の間、その店で働き多くのファンを集めました。
その地こそがchairsの開業地となった新小岩でした。
このように、縁あって飯島は下野さんのサクセスストーリーをずっと間近で見させていただきました。
下野さん、長い間ず~っとbhを頼ってくれてありがとうございました。そして心よりおめでとうございます。
bh 飯島由敬
<2018年、開業から10週年を間近にして>
このchairsは、ヘアサロン開業ではありませんが過去bhはこのように飲食店の開業に関してもプロデュース業務もしていた時期がありました。2008年開業後、ずっと変わらず現地の人気店として運営を続けるchairs。今年の5月26日にはいよいよ開業10週年を迎えます。bh創業からコンセプトとして掲げている「最低10年以上の健全運営を視野に入れた独立開業の支援」これを体現した自慢の開業事例です。いよいよ10周年まであと3週間に迫りました。ともすれば飲食店の10週年は非常に難しいと言われます。しかし、chairsはそれを堂々と覆しての10週年を迎えるのです。当時、本当に様々な逆境のもとこの計画に限り飯島由敬が店舗デザイン設計を担当しました。そして飯島の店舗デザイン設計最後の作品でもあります。店舗デザイナーだったら誰でも常に願うこと・・・それは永遠に存在するお店であってほしい。chairsはそんなお店になってくれると確信しております。 bh 飯島由敬(記・2018年5月7日)
2018年7月15日(日)chairs 10周年記念パーティー
この日、chairsの常連のお客さまのサプライズ企画により、新小岩ショットバーchairs(チェアーズ)の10周年パーティーが開催されました。
2008年5月26日に開業し、今年10週年を迎えた開業オーナー下野哲也さんの為のお祝いの会に飯島由敬もご招待いただきました。
この会のスタートとしてスピーチと乾杯の音頭をご依頼いただきました。
長くなりすぎないように(ここが飯島の不得意な所・・・笑)
開業当初のエピソード、苦労話を交えながらchairsのお祝いの言葉を贈らせていただきました。
催し物のじゃんけん大会では総勢20名以上も居るなか、ラストまで勝ち抜いてしまい、極上のスコッチウイスキーをいただきました。
この日に駆け付けられなかったチェアーズのあまりにも多くのファンのお客さまのビデオレターを見入る下野さんと私。
ラストの下野さんのご挨拶。ひたすら、開業時、bh(私)と共にあまりにも大変な逆境を乗り越えて実現した開業までのエピソードを語ってくれました。このスピーチだけで数十分ぐらい・・・さすがに照れくさかったです。
↓その時の様子を動画で
2006年当時のbhでは現在のヘアサロン開業にとどまらず、こうしたショットバーなどの飲食店開業のプロデュースも行っておりました。なによりも、飲食店で開業後健全な運営ベースに乗り、10周年を迎えるのは本当に凄いことなのです。
そして、開業当時からの面々が変わらずに集まっており、chairs下野哲也さんの絶大な人気、人柄を改めて感じさせる素晴らしい会でした。
ご招待いただき本当にありがとうございました!
15周年、20周年と、変わらず歩んでいってほしいと心から願っております!
bh 飯島由敬 (記:2018年7月28日)