La Cute開業までの軌跡
オーナー安井隆浩さん、直子さん
- 店舗住所
- 渋谷区富ヶ谷1-53-4 リコービル2F
- オープン
- 2014年2月13日
- 店舗面積
- 店内17坪
2013年6月25日(火)
この写真は、いわゆるボツ物件です。ここで言うボツというのは、残念ながらGETすることができなかった物件ということです。オーナー安井隆浩さんは最初ここで覚悟を決めてやりたかったんです。
※しかし、この物件は他の手に流れてしまいました。ちなみにこの場所も美容室になりました。
この物件を一緒に見に行ったこの日、安井さんは本当にやる気満々でした!
しかし、この物件を直接管理している不動産屋の兄ちゃんが本当に馬鹿でした。
(仲介した不動産のお兄さんはよい人とても良い人でしたが)
安井さんとはまだ会って日も浅いというのに、飯島はこの狭い空間の中で、
あまりにも訳のわからない理屈をこねくり回すその馬鹿な不動産屋の兄ちゃんに
ファイヤーしていたそうです・・・
まだ借りるかどうかの意思も伝えていない段階だというのに、
やる気満々の安井さんの様子を感じたのか、借りる どうのこうの話になる以前に、
思いっきり足元を見て条件をスリアゲてくる若造に
ふざけんじゃねぇ~!とは言わなかったけど、
ほとんど、 そういう圧で跳ね返していたらしい?
自分ではそれほどだったかなぁ・・・と思いますが
安井さんとパートナーの直子さんに、後日聞いたところ、かなり飯島、怖かったって・・・
2013年9月10日(火)
この空白の2ヵ月半、本当に安井さんは別の物件を探すべく奔走し、その都度、何度かにわたり飯島も同行して物件の適正チェックに行きました。そしてようやく物件を特定することができたのでした。まずはコンセプトからはじめて行きましょうということで、プロデューススタートいたしました。
なのに・・・ここからまた約数ヶ月、なぜか、安井さんの前進を阻むかのように、、、円滑に進めていけない事情に直面!
安井さんのイライラが止まらない日々がはじまるのでした。理由はまたまた、不動産の事情によるものでした・・・
借りようとしているこの物件、実はこの段階でまだ入居者が入っている。 退去予定に合わせて安井さんが借りる予定で話が進んでいたのだが、不動産契約の段階で急にこんなストップがかかったのだ。
この ビル自体の構造である鉄骨部分に耐火被覆として、もしかしたら「アスベストが使われているかも???」というのだ。そんな疑惑が発生した瞬間から不動産屋さんは・・・
まずは正式な調査をしてぇ・・・その見解次第で対策というか、方針というか、区の指導を待ってぇ・・・
その結果が出るまでは契約ができないわけでぇ・・・
もしも、もしも、万が一、万、万、万が一アスベストだったとしたらぁ、まぁ・・・貸せないことは無いと思うのですがぁ・・・
う~~~ん・・・今はなんともいえないぃ~~だから待っててぇ・・・
という感じです。
2013年10月1日(火)
ということで、また3週間も経ってしまった・・・というか、時間を無駄にしてしまったというか・・・この段階に至っても、まだ先が読めません(この物件をきちんと借りれるかどうかわからないという状況。相変わらず不動産屋は“エンドレス待っててぇ・・・”の状態)
だが、も~う待ちきれん!まずは、この物件は借りられることを前提とし、 とりあえず設計だけでも通常通りの工程で進めておこう!ということにして、安井さんご夫婦(あ、最近入籍です)とbhチーム、ほぼ強行突破です。
とにかく安井さん、ますますイライラが止まりません・・・気持ち、わかります!
2013年10月7日(月)設計&販促グラフィックデザイン打合せ1回目
結局また1週間経過・・・打ち合わせは進むものの、物件が借りられるかどうか、はっきりしない日々に安井さんの顔はなかなか晴れません。ですが、準備だけはして待ってましょうよ!
2013年10月15日(火)設計&販促グラフィックデザイン打合せ2回目
辻井も愛知から出張し、まだはっきりしない物件の設計に立ち会いました。
もちろん、販促グラフィックの打ち合わせも、もう待ってられませんとばかりに急加速で進めて行きます。
打ち合わせが深くなれば、若干安井さんの表情も楽しそうな様子が
2013年10月29日設計&販促グラフィックデザイン打合せ3回目
この日は南流山のmellowさんの打ち合わせと入れ替わりで安井さんの打ち合わせが予定されていました。bhで入れ替わりの、すれ違いの瞬間を撮影しました。この2組のオーナーさんたち、いわゆるbhの開業同期生となるわけです。
この日、ここに来る前に、また不動産屋さんに立ち寄って、大喧嘩してきた安井さん、bhに来たとき、明らかに表情が重かった・・・
これは後日mellowのオーナーさんにも気づくほどでした。それほどまでに安井さんを不動産屋は困らせ続けていたのでした。
なかなか表情が晴れない安井さんだけど、決して周りを威圧するような気質ではない。「元気出してくださいよ~」という気を使わせるようなタイプでもない。ただただ、彼はすべての物事に対し“実直”というか、“ひたむき”なんだろうなぁと思う。
無責任なことは言えないが、「なんとかなりますって、安井さん」
もちろん、そんなこと声に出しては言わないけど、まぁそんな精神で藤井も飯島も、そしてTV画面の中の辻井も、安井さんに心からエールを送りながらの打ち合わせでした。
どうでもいいけど、「不動産屋、もうちょっと融通効かせろよ!・・・なんでもかんでも杓子定規な対応しやがって!本当にモタモタしてるんですよねぇ~。こりゃ、安井さんじゃなくても怒るわな。
気を取り直して、木でも見てよね!
2013年11月12日(火)設計&販促グラフィックデザイン打合せ4回目
辻井再び出張で打ち合わせです。ちょうど同時期開業で南流山美容室mellowの打合せも行われた後、入れ替わりで安井さん打合せでした。
2013年11月18日(月)設計&販促グラフィックデザイン打合せ5回目
前回は奥さんが不在だったが、この回は奥さんも同席。この日はmellowの大竹さんの打合せとは重なっておらず、1日丸まるラキューテの打合せに使うことができました。夜まで打合せは続きました。
2013年11/下旬某日
11月一杯まで前の入居者がおり、退店後、大急ぎで解体撤去、そして・・・・例のアスベスト調査?ここからまだしばらく時間かかるんだろうよ~~!頼むよ!ねぇ、安井さん。もう文句言っても無駄だね、この不動産屋は。
2013年12月2日(月)
だがだが、こうして現地を正確に見れるのは始めてです。
まだ正確に物件契約ができるかわからないものの、このタイミングで競争見積(入札)をかけるタイミングでbhチームは動いておりました。
2013年12月10日(火)・減額調整の日を向かえてしまいました。
ちなみに、今頃になってようやくアスベストの結果が出た!
結果は?
アスベストじゃなかったって・・・
だから契約しましょうだって・・・
あきれます・・・
今だから言えるが、借り入れの結果もこの物件が借りれるかの結果が出るまで、保留にさせられていたんです。
まぁ、借り入れに関しては、結果オーライでしたけどね。
人騒がせというか、ホント、融通効かねぇ不動産屋だ。
しかし、この厄介なのは、まだ続くんだわ・・・
2013年12月29日(水)
減額調整以降、安井さんは大いに悩み、再び予算配分を再構成しなおしたそうです。あらためてお金の掛けどころを大きく変更したいという結論に達し、bhとしては異例中の異例であるが・・・す。
一旦仮発注をした工事業者を変更し、別業者により再見積を取り直すという展開になってしまいました。なぜこうなったかというと、方針変更にあたり、確実に工事の時期やOPEN日がずれることになります。
すると、昨今の消費税UPの駆け込み需要に大混乱中の工事業者が、このスケジュール変更について来れず、急遽別業者に指名が変わったという流れだ。
こういった、予期せぬ事態でも何とかできてこそプロデュースである。もちろん冷っとしますけどね。
2013年12月29日(日)というわけで、かなりドタバタの二転三転を繰り返した安井さんの工事契約は、ようやく年末も押し迫ったこの日になってしまったというわけです。
2013年のbhの仕事納めはもちろんコレでした。
飯島は次の日からロスへと旅立つことになっておりました。この契約の後、荷造りで夜中までかかったんです。ということで2013年ご苦労様でしたぁ~。
2014年1月14日(金)2014年に年が明けましたねぇ~。年明けからの工事スタートのために年末は仕切っておりました。まぁこの部分だけは予定通りということで。
なにやら路上で、立ち話の打ち合わせ。
現場も場内も早速工事に取り掛かる準備が始まりました。
天井に見えるのが人騒がせなアスベストもどき。結局それじゃなかったので、まぁ一安心なんだけどね。
2014年1月17に地(金)店舗デザイナー藤井真哉が週に1~2度行う現場チェックの時の様子。
右側の写真はちょうどシャンプーブースとなる場所の排水管の設置工事のものです。
まだ配管やら、電気配線やら、そんな基本的な設備の工事が展開しております。
毎度の事ながら、工事の初期というのは、なんとも煩雑で味気ないものですね。
これが見る見るうちに綺麗に化粧されて行くわけです。ご期待ください。
2014年1月21日(火)藤井と共に安井さんは保健所訪問しました。毎回、右も左もわからない開業オーナーさんを面倒見よく藤井は同行してガイドしてくれるんです。
保健所訪問、そういう日は、決まってその後、現場視察です。まぁ逆もありますが・・・
いわゆる現場に行った後に保健所っていうことです。
縦長が特徴のこの物件がどのように姿を変えるのでしょうか。
2014年1月24日(金)この日も現場視察中。前述したとおり、今回は正式な入札に参加できなかった別業者がピンチヒッター登板となった。入札を通していれば、ある程度、設計の全体感の理解度が深いのだが・・・
こういった特例バージョンの場合は、状況を把握しながらの工事となり、難易度は高くなる。それ以外にもこの時期の背景には消費税UPの駆け込み需要がすさまじく、全国的に工事業者は大パニックに襲われている時勢でもあった。本来、忙しくてできない、と断りを入れてきたこの業者の首根っこを藤井が執念で捕まえて、請け負ってもらったのだ。責任を背負う藤井の現場打合せは通例より大変だったと想像します。
2014年1月28日(火)同じく現場視察&チェックの日。オーナー安井さんが気に入ってこだわったフローリングの“アジロ貼り”俗にヘリンボーンとも言われております。ちなみにアジロ貼り?markkaの網代さんとは関係ありません。。。失礼
空間は把握は十分できる段階に達していますね。
現場監督と打ち合わせ中の藤井デザイナー。
2014年2月3日(月)紆余曲折ありありのラキューテ計画でしたが、ようやく引渡しです。この時期、雨、雪、そして消費税UPの駆け込み需要による工事業者の不足事情もありました。長年bhで開業計画を見てまいりましたが、なかなか色々な事がスムーズに行かない時期の開業になったと思います。
特に工事業者の入札を見ても、消費税UPの前に、という駆け込みをする方は多いと思うのだが、逆に工事業者側の材料代、大工手間などが高騰している状況を感じました。
プロである私たちですら、消費税UP後の方が、逆に単価が安くなるのではないかと思えるほどです。事前にそのような時勢を説明していたものの、オーナー安井さんも、実際の決断段階に達すれば、より“安い”(?)ところに意識が向くわけであり、本当に悩みが尽きなかったようです。
エレガントなアンティーク調の演出物はすべてデザイナー藤井のアドバイスを受けつつ安井さんと奥さんでそろえたものだ。なかなか良いバランス感覚です!
これは、なんと減額調整を迎える前に安井さんご夫婦が“フライングゲット”した珍しいアンティークのレセプションカウンター。正確にはカウンターとして存在するものではなく、演説台として実際に使われていたモノ!これだけは譲れない、ということで安井さん先行購入してbhの飯島、辻井、藤井に止められるのを事前に阻止した逸品である。
でもね・・・減額調整の直後の迷いは前述したが、この時、言ってましたわ。
「カウンター買うの早まったわ~」
「ほら~、だから言ったじゃん!」この言葉はbhの3名、誰も言いませんでしたよ。
むしろ、
「買っちゃったものは仕方ない、ではそれを最大限に活かす別の方法で・・・」
これがbhってもんです。
安井さんのご自慢はそれだけじゃない。この作業家具も色々苦労して探したそうですよ。
こちらは、奥さんの自慢の部分かな、本当に素敵な、素敵な、レストルームですよ。
引渡しの後、食事に行きました。
後で、安井さんが、こう言ってましたよ~と奥さんから聞きました。
「飯島さん、ず~っとしゃべってる」
安井さん、だってほら、それが俺の仕事じゃんか(笑)
2014年2月25日(火)当初写真撮影を予定していたのはオープンの数日前だった。
しかし、美容椅子他、店内の備品の配送のタイミングが合わず、写真撮影だけ開業後に仕切りなおしとしていた。
それがこの日となった。すでにオープンして12日が経過しておりました。
ホテルのフロントを意識したロッカー、クローク。すべて買付でまかなった減額ポイントなんです。十分に立派でしょ?
カメラマン秋山雄一さん登場。アーチ状のシャンプーブース出入り口付近から店内を撮影中。
それを背後霊のように(失礼)見守るオーナー安井さんでした。実はこれ、飯島の指示による演出でした(笑)
完成写真チェック!
このカットブースセットが女性たちを美しくしちゃうんです。
撮影中は、こうして時折世間話です。
お二人のセンスが光るディスプレイの数々。
特に真ん中の額縁の中身は自分たちでコラージュして作ったもの。
いい感じだ。
ラキューテの象徴となるエッフェル塔の置物。
ウエイティング椅子とテーブル&演出の小物
安井さん記念撮影!左の写真はこの店の“売り”である「毛髪復元の薬液」を抱いてパシャり!
そして、この計画中に入籍した奥様とのツーショット記念撮影!
もちろん、ラストは飲み会で締めくくり。 すでに開業して12日後の打上パーティーでした。
ヘアサロン開業に携わっていて思うことですが、40代になってからの開業オーナーさんのプレッシャーは計り知れません。絶対に失敗できないという20代、30代の開業オーナーさんとは別のプラスアルファが加わっています。安井さんもそれは同様だったようです。
開業に向け常に一喜一憂、悩みに悩む姿も見させてもらいました。ですが、迷ったり悩みにぶち当たったら、その都度、すぐに連絡をしてくれて、私に何らかのアドバイスを要求してくれていました。
私も、さすがにこのヘアサロン開業を14年近くやってきたのですから、いいかげんプロです。
迷い、悩みのないオーナーさんは過去に一人もおりませんでした。安井さんも至って一緒で、過去のオーナーさんと同じように悩み続けておりました。むしろ40代越えで1.2倍だったかもしれません。
でも、毎回必ず私を頼りに電話してくれました「飯島さ~ん、どうしたらよいですか・・・」
bhでは過去14年の開業プロセスの中で、まったく解決できなかった問題は数%ですんでいます。
今回も、一時はどうなるか?という場面がありましたが、無事に開業できたのは安井さんのように、すぐに連絡相談をしてくれたからなのです。
bh飯島が「ヘアサロン開業オーナーのセコンド」といわれておりますが、実際の試合に出る人はオーナーさんご本人、飯島が代わりに試合に出ることはできません。
しかし、リアルタイムにどうすべきか、どうかかわるべきかを真横で声をかけ続ける役割を毎回引き受けております。
さらに、限りなく安全な開業を実現させる可能性を上げる為の名セコンドをこれからも目指していこうと思います。
安井さん、開業まで心と脳に大量の汗かきましたね・・・でもこれが必ずこれからの経営に役立ちます。
ということで、トレーニングご苦労様でした。開業後も私、付いてますから安心してください。
開業おめでとうございます!そしてご結婚もおめでとうございます!Wおめでとう、ということで!