10年後の健全経営を見据えた美容室の独立開業のお手伝い ヘアサロン開業アカデミー

美容室独立開業Library

美容室開業・開業初期は休日なしでも頑張ろうという考えは危険

開業当初から休日返上はNG

開業当初は休日なし、あるいは休日は最小限でスタートしたい

意気込みはわかりますが、長い運営が前提ならこれは危険な判断といえます。
これは美容師さんに限らず業種を問わず新規創業オーナーが陥りやすいことです。

どの業種でも開業から1年前後は思うように運営が軌道に乗らないものです。

創業前のオーナーはお店が軌道に乗るまでは休めなくても仕方がない。まずは無休で始めて軌道に乗ったら、いずれ休みを増すと考えがちです。

しかし無休でスタートした店はとかく

何年経っても無休のまま運営を続ける傾向が強いのです。

 

最初に作り出す多忙な状況が、やがて普通となってしまう?

これは、開業初期の厳しい日々の体感に慣れてしまうからなのです。
誰でも安定するまで無休でも頑張れるかもしれません。しかし売上が良くなってきた頃に、
そろそろ休日を増やそうとは思えなくなってしまうのです。

 

いずれ”安定したら”と開業前に思っていても、

実際運営の渦中では、“安定した”という実感など得られません。

月間たった1日の休日を増やすことにより、1日平均売上分が前月よりも減ってしまう恐怖感がいつまでも安定感を与えなくなります。

実際、創業時に無休運営を宣言してた開業者が、数年後に休日を増やし家族や自分の為に時間を得ている確率はとても低いのです。

創生期に体感したオーバーワークはいつしか“普通”になってしまいます。

最初は身体がキツかったけど、慣れたから大丈夫です!

1日平均売上が10万円に達するサイクルに到達してる場合、1日休日を増やせば売上が10万円減る!

売上を落とすよりは、今までどおり頑張る!

この負のループに身も心も陥っていくのです。

技術職である美容師さんに限らず飲食業のオーナーはさらにこの危険性が高く、
いずれ「全然休めないよ~誰か休みをくれ~!」と悲鳴を発することになります。

 

休日なしのスタートした開業オーナーの実例から学びましょう!

以下は私が店舗デザイナーの頃の飲食店開業オーナーの事例です。
ある飲食店は開業して5年で売上はぶっちぎりの大繁盛店になり人気店でしたが、なぜかオーナーは5年間で自らお店を閉めてしまいました。

「え?なぜ?売上すごく良いんでしょ?お客さまだって大勢いるじゃない?」

「もう身体が持たないんだよ。疲れた。しばらく休みたい。このまま店ごと他の人に売ることにした。」

今回お伝えしたいことはすべてこのオーナーが当時話してくれた事が物語っています。

 

「開業時の運営スタート時点で、きちんと週1~2回の休みを作ってスタートするべきだった。確かに客が付くまでの1年は大変だったけど、それ以降、実際に客が付いたら休みを増やすなんてこと無理よ。多忙になった頃から自分の身体がヤバイことは気づき始めてたけど、途中からはどうにもできません。休みは増やせない、忙しさは増すばかり。何のためにやっているのかわからなくなってきた。お金は十分あるけど、休めないのは本当に辛い。飯島さん、もし今後、独立開業者が無休で頑張る!と言ったら、絶対に休みの日を取らないとダメだと厳しく言ってあげて。とても立派なお店を作ってくれて、おかげでお金は得られたけど、お店の成功はお金だけじゃないってことをつくづく実感させられたよ」

 

このお話、美容室でも同じす。

創業時からきちんと休みを確保した上で目標売上が得られる採算を追求する。

開業計画の立て方の鉄則です。

著者:

ヘアサロン開業アカデミー代表
美容室開業プロデューサー

関連記事